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『グルッペン、そっちの様子はどう？来てる？』
gr「こっちは大丈夫です。当分近くには寄ってきませんよ」
声量を抑えてクリアリングをしながら話す。
窓の外、中庭の方には人影は無くて蝶々や小鳥が飛んでるだけ。声が聞こえてくると言ってもここからは遠く離れている。
グルッペンが耳を澄ましている廊下側も問題がない様でそれを聞いて、枕の下に隠していたナイフを取り出して顔を合わせて笑う。
gr「兄さん、足の方は大丈夫ですか？」
『うん、もう走れるよ。じゃあ準備は良い？』
頷き合うとナイフを振り下ろし扉のドアノブを壊す。
金属どうしがぶつかり合う甲高い音が聞こえたかと思うとすぐに扉を開けて走り出す。
右に曲がって、扉を4つ通り過ぎた先で左折。目的地の城の出口にむかってひたすら走ると後ろから「待て！」と追いかける声と足音が沢山。
『不味いグルッペン、またバレたみたい』
荒い呼吸をしながら横を向いてグルッペンに話しかける。
gr「大丈夫です兄さん。今回はアイツは居ない様で」
そこまで言いながら走っていると前の曲がり角から人が出てきて足が止まった。
gr「ああクッソ、またか…」
『今回もダメだったね…』
目の前に現れたのは眼鏡をかけ直して溜め息を何度も吐いているトントン。
そして後ろからは息絶え絶えのぺ神やあれだけ走っても呼吸が荒れていないひとらんらん、諦めて歩いてついてくるオスマンとエーミール。
tn「グルさァ〜ん、兄さん〜、お前等何度医務室から逃げ出したら気が済むん！」
sn「本当だよ…はぁ、はぁ、南京錠つけてた筈なのになんで壊れてるの…」
em「お二人共、怪我は完全に治ってないんですから大人しくして下さいよ。走ってると治るものも治りませんよ」
ht「オスマン、これで何度目の脱走？」
os「あの時から二週間経って現在5回目。そして後この廊下を走り切ればゴールのハイスコアめぅ」
五人がそんな事を話しながらも僕とグルッペンを取り囲む。
因みに僕達の格好は病人着を着て頭に包帯、僕は身体中湿布に包帯、松葉杖。グルッペンは腕と腹部にも包帯。
『だって…もう元気だもん。休んでばっかりだと逆にゾム達が心配するもん。それに』
gr「だって…良い加減復帰しないと体が鈍るし、仕事も山積みだし、それに」
『「甘い物を食べたい」』
そう言うとみんなは顔に手を当てて空を仰いでいた。
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raaami - これ本当に神作でした。爆笑したり涙目になりながら見てましたｗ (2021年11月18日 21時) (
レス) @page21 id: 0c25e5a716 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - 面白い！！！！！好きです！完結スッキリしたw (2020年3月24日 15時) (レス) id: df7125e07b (このIDを非表示/違反報告)
月歩 - でぃちゃさん» 気付くのが遅くなってすみません。でぃちゃさんの言う通り「時より」ではなくて「時折」でした！教えて頂きありがとうございます！ (2020年3月16日 19時) (レス) id: 55b2340671 (このIDを非表示/違反報告)
でぃちゃ(プロフ) - 作者様の書く物語に一喜一憂しつついつもとても楽しく読ませていただいています。ところで、もし間違いなら私の浅学を笑って頂ければと思うのですが時たま「ときより」という表現を見かけるのですが「ときおり(時折)」の間違いかと。これからも更新楽しみにしています (2020年3月13日 19時) (レス) id: 0e9c842430 (このIDを非表示/違反報告)
すこ - 面白い物語をありがとうございました (2020年2月16日 3時) (レス) id: 73c5ecbfda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月歩 | 作成日時：2020年1月30日 22時
