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爆発音が聞こえた後、僕とグリエーフは奇しくも同じタイミングで上を見上げ耳を澄ます。
 爆発音はやがて銃声と悲鳴と叫び声に変わりこちらに近づいて来る。
 一体何が起こっているか分からず唖然としているとドアがいきなり開いて血塗れのこの国の兵士が現れる。

「科学大臣!奇襲です!敵はwrwrd国だ、と、思わ…れ…」

そこで兵士は倒れた。多分もう一生動くことはないだろう。
 兵士の叫ぶ様な状況説明の声に僕は歓喜を覚えたけど、グリエーフはイレギュラーな事が起きたと思ったのか顔を青くしては僕に背を向けて急いで色んな所に通信をいれていた。

「なんで、なんで今攻めてくるんだ…A君の居場所だって知られない様にしていたのに。クソッ、あのボンクラの所にも、どこにも繋がらない」

一生懸命繋ごうとしても聞こえるのはザーザーという砂嵐の音だけ。
 すると突然通信機が変な音を立てたかと思うと静かになり、声が聞こえ始めた。

〈あーテステス。聞こえているだろうか哀れな国の国民達よ。我々は今そこの強欲な国王や無知蒙昧な大臣共に、正式に宣戦布告を発表する。
 大人しく降伏しようとも情けはかけない。我々が望むのはこの国の殲滅だ。それでは諸君Einenschönen Tag.(良い一日を)

その声の主はすぐに分かった。常に好戦的なスピーチ、有無を言わせない芯が通った声。
 間違える筈が無いあれはグルッペンだ。良かった、助けに来てくれた。
 安心して胸を撫で下ろしているとグリエーフが振り向き再び例の薬を持って近付いて来る。

「駄目だよ、やっと君を取り戻したのにまた勝手に何処かに行くなんて。A君早くこれを飲んでよ!そしたら弟君のことを忘れ」

まるで何かに取り憑かれたかの様な形相で声を荒げ、僕の腕を掴んで訴えていると突然、声が止まり腕にかかっていた力が抜けた。
 ふと見るとグリエーフの後ろに緑の人影、そしてその手にはアイツに刺さってる赤いナイフ。

zm「チーッス、そしてサヨナラ!」

そう言ってナイフを抜くとアイツはうつ伏せに倒れた。

『ゾム!怪我は無い?みんな元気にしてた?』

zm「開口一番に俺等の心配って流石兄さん…って兄さんの怪我の方が酷いやんか!早くぺ神の所行かんと」

『でも足がまた使い物にならなくて、歩けないんだよね…僕の事は後って、え?』

後で良いから他の所に行ってきな?と言おうとすると体が宙に浮いてゾムとの距離が近くなる。

zm「やったら抱えて連れてったら問題無いやろ」

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raaami - これ本当に神作でした。爆笑したり涙目になりながら見てましたw (2021年11月18日 21時) (レス) @page21 id: 0c25e5a716 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - 面白い!!!!!好きです!完結スッキリしたw (2020年3月24日 15時) (レス) id: df7125e07b (このIDを非表示/違反報告)
月歩 - でぃちゃさん» 気付くのが遅くなってすみません。でぃちゃさんの言う通り「時より」ではなくて「時折」でした!教えて頂きありがとうございます! (2020年3月16日 19時) (レス) id: 55b2340671 (このIDを非表示/違反報告)
でぃちゃ(プロフ) - 作者様の書く物語に一喜一憂しつついつもとても楽しく読ませていただいています。ところで、もし間違いなら私の浅学を笑って頂ければと思うのですが時たま「ときより」という表現を見かけるのですが「ときおり(時折)」の間違いかと。これからも更新楽しみにしています (2020年3月13日 19時) (レス) id: 0e9c842430 (このIDを非表示/違反報告)
すこ - 面白い物語をありがとうございました (2020年2月16日 3時) (レス) id: 73c5ecbfda (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月歩 | 作成日時:2020年1月30日 22時

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