鬼の始祖様【鬼滅の刃】

玖 ページ11

.


『−…こんにちは、胡蝶さん。』

お邪魔するわ、と言って耀哉に教えて貰った“蝶屋敷”に入った。
鬼を連れている子も気になったけど胡蝶カナエの視察も兼ねて。
童磨に肺をやられてたしね。
廊下を少し進むと胡蝶…しのぶと会った。

「あっ…Aさん…こんにちは。すみません、忙しくって…。」
『大丈夫よ。胡ちょ…カナエと鬼を連れている子に会いに来たのよ。気にしないで頂戴な。』

迷惑にならないうちに帰るわ、と断っておいた。

「っじゃあ、アオイに姉さんがいる部屋まで案内させます。」

大丈夫よ、と断るけど「せめてでもの事なので」と譲ってくれなかった。
…こんな所で時間は取れないわ。私が折れるしか無いわよね。
ありがとう、と言うとアオイ？が来た。

「っきぶつじ…さま…カナエ、さまのお部屋は、こちらです、…」
『あら、ありがとう。』

矢張り私が“鬼の始祖”という称号を持ったままだとあのような反応をされて正解よね。人を喰うのだから。

コンコン、と弱い力で扉を叩く。｢どうぞ〜｣という声が聞こえてから扉を開けた。

「…あら、Aさん、いらっしゃい。お布団からでごめんなさいね〜」
『傷は大丈夫なのかしら？』
「肺が少し切れてしまって…、あっ、今は大丈夫なのよ？大分治ってるから。」

そう、それは良かったわ。…そう言うとカナエは笑顔になった。前から笑顔だったけど。

『どうしたのかしら？』

そう問いかけるとだって〜と話し始めた。

「Aさんと普通の鬼を一緒にするのはなんだけど、こうやって鬼と話せてるんですもの〜。前から仲良くできたらいいなって考えていたから嬉しくって〜」


…そう言ってくれて嬉しいわね。
…やっぱり“アレ”をやろうかしら。でも彼女の意見も尊重しなくては。

『胡蝶さん、いえ、カナエ。＿？』
「−!?」

拾→←捌

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す