8話 ページ10
北口広場に出ると人々が何かから逃げる様に走っていた。
A「あっちか・・・」
人々の流れに逆らって広場の中心の方へ走る。
A「っ！」
すでに遅かった。老女が一人刺されて倒れており、近くには女性が腰を抜かして座り込んでいた。私は偶々、マル被の男性の背後に位置する場所に居た。ホルスターから銃をぬいてマル被に向ける。マル被の正面の方に目を向けると・・・
A「！！」
神御蔵一號が殴りかかろうとしてる姿が目に入った。
A「(マル被は左手に手榴弾を握っていた。なら、ピンを抜くなら右手！)」
照準をマル被の右肩に合わせ、引き金を引く。右肩を射抜かれたマル被は、神御蔵一號の手によって殴り飛ばされた。手榴弾がマル被の手を離れ転がる。ピンは抜けていないようだ。
A「フゥ・・・良かった、間に合って」
銃をホルスターにしまい、刺された老女の方を見ると、腰を抜かしていた女性が手早く圧迫止血をしながら叫んだ。
女性「一號！救急車！早く！」
香椎「大丈夫だ、もう連絡した」
あたふたと携帯を取り出そうとした神御蔵一號の後ろから隊長が声をかける。
一號「えっ、香椎さん？そういえば、そっちの人も・・・」
彼がこっちを向いて指を指したので、ペコリとお辞儀をする。
ふと目線をずらすと、黒いアサルトスーツの幼なじみがじっとこっちを見ている姿が目に入った。
A「蘇我くん・・・」
昨夜の事があり、思わず目を反らす。気配で蘇我くんがこちらに向かってくるのが解った。
蘇我「A」
A「・・・お疲れ様。蘇我くんSATの狙撃手だったんだね、昔から射撃の腕良かったも・・・」
蘇我「A」
私の言葉を切るように名前を呼ばれた。思わず言葉を飲み込んで蘇我くんを見る。涙が出そうになったのは内緒だ。
蘇我「Aも狙撃手なのか？」
出てきた言葉の声は思ったよりも穏やかだった。
A「えっ、う・・・うん」
蘇我「そうか・・・でも、無茶はするな」
そう言って、頭をポンポンと軽く叩かれた。
A「蘇我く・・・」
蘇我「昨日はすまなかった」
A「えっ？」
蘇我「ただ、俺は・・・怖かった」
A「蘇我くん？」
蘇我「約束して欲しい、俺の前から居なくならないことを・・・」
真っ直ぐに私の目を見て言う蘇我くんから目が離せなかった。
A「うん・・・」
やっと出た言葉はすごく小さな呟きとなって空に吸い込まれて行った。
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マナ - 雪華さん» こんにちは…聞いてもいいですか？ (2021年7月17日 10時) (
レス) id: 961826b387 (このIDを非表示/違反報告)
雪華(プロフ) - M・Sさん» ありがとうございます！こんな作品を面白いと言ってくださって！頑張って更新していきます！！ (2014年6月8日 18時) (レス) id: 017fc2355a (このIDを非表示/違反報告)
M・S(プロフ) - すごく面白くて、一気に読んでしまいました！続きがきになります！続編頑張って下さい、応援してます！ (2014年6月8日 17時) (レス) id: f9726902e1 (このIDを非表示/違反報告)
愛歌(プロフ) - 続きが気になります♪更新頑張ってください！ (2014年6月6日 0時) (レス) id: 6931f89d5d (このIDを非表示/違反報告)
茉乃音 - 面白いです！これからも頑張ってください！！応援してます！！ (2014年6月2日 18時) (レス) id: 0d8e8f0117 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪華 | 作成日時：2014年5月20日 17時
