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34話 ページ36

NPSの控え室の扉を開けると、色々な塩を並べて説明している神御蔵くんの姿が目に飛び込んで来た。
一號「あ、Aさんも一つどうッスか?」
この訓練では対テロリスト戦を想定しているので、訓練中は水と塩しか口にしてはいけないのだ。自慢気に説明する神御蔵くんに苦笑する。
A「ありがとう。でも、たぶんこれは」
香椎「悪いがこの味塩は認められん。全部没収だ」
一號「えぇ!?」
速田「当たり前だ。テロと闘う時にこんなに塩を持ってくるバカがいるか」
一號「そんなぁ、折角持ってきたのに」
心底残念そうに塩を仕舞う神御蔵くんの姿を見てると自然と肩の力が抜けた。神御蔵くんを慰めていると部屋の外から何やら揉めている様な会話が近付いてきた。
隊員「困ります!関係者以外立ち入り禁止なんですから!」
横川「だから関係者だって言ってんでしょ!」
香椎「この声は」
香椎隊長が呟くと荒々しく扉が開いた。
横川「はぁい」
香椎「秋ちゃん、何でここに。君の出番は明日でしょ」
息をつきながら言う隊長に、ニヤリと笑って私を見た。その表情に嫌な予感しかしない。
横川「香椎ちゃん。明日のエントリー訓練の為にA貸してくれない?」
疑問系なのに決定事項に聞こえるのは気のせいだと思いたい。
香椎「はぁ?!あのな秋ちゃん、AはNPSの隊員で・・・」
横川「どうせ香椎ちゃんの補佐でしょ。なら美人の人質が二人の方が、野郎のやる気も上がるでしょ」
A「あ、秋さんが美人なのは解りますが私は・・・」
横川「兎に角。中丸隊長の許可も貰ってるの。これは決定事項なの」
ビシッと指を立てて香椎隊長に向けて言いはなった。
香椎「・・・はぁ」
何かを諦めた様に溜め息をつく隊長に嫌な予感がした。
A「・・・隊長?」
香椎「行ってこいA」
A「隊長!?」
横川「そうこなくっちゃ!じゃ、借りてくわね〜」
そう言って私の腕を掴みながら部屋を出ていく。
A「ちょっ、秋さ・・・隊長!助けて下さい!」
私の叫びは無情に閉められた扉に遮られて届くことはなかった。

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マナ - 雪華さん» こんにちは…聞いてもいいですか? (2021年7月17日 10時) (レス) id: 961826b387 (このIDを非表示/違反報告)
雪華(プロフ) - M・Sさん» ありがとうございます!こんな作品を面白いと言ってくださって!頑張って更新していきます!! (2014年6月8日 18時) (レス) id: 017fc2355a (このIDを非表示/違反報告)
M・S(プロフ) - すごく面白くて、一気に読んでしまいました!続きがきになります!続編頑張って下さい、応援してます! (2014年6月8日 17時) (レス) id: f9726902e1 (このIDを非表示/違反報告)
愛歌(プロフ) - 続きが気になります♪更新頑張ってください! (2014年6月6日 0時) (レス) id: 6931f89d5d (このIDを非表示/違反報告)
茉乃音 - 面白いです!これからも頑張ってください!!応援してます!! (2014年6月2日 18時) (レス) id: 0d8e8f0117 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雪華 | 作成日時:2014年5月20日 17時

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