25話―合同訓練― ページ27
神御蔵くんが沢山の記者に囲まれてインタビューを受けていた。全国にNPSの存在を周知させるために上層部が仕組んだ事だった。インタビューを受ける神御蔵くんを見ながら、少し心配になる。特殊部隊の隊員が顔を曝してメディアに映る事は危険な事だ。見ているのが一般市民だけとは限らないから。隊長も最初反対してたのに・・・
A「押しきられたのね、きっと」
速田「何か言ったか？」
独り言に返事が返ってきて、慌てて「何でもないです」と返す。きっと夕方には流れるこの報道を見たSATは怒りを爆発させる事だろうと予想し、一人溜め息をこぼした。
翌日、交代でお昼休憩に行くことになり、速田さんと本部でデスクワークをしている時に事件は起きた。
A「えっ？！」
速田「どうした？」
いきなり声をあげた私を不思議に思ったのか此方を見てきた。(ちなみに私のデスクは速田さんの隣です)
A「あれ・・・」
私が扉の方を指差すと、速田さんもつられて見て固まった気がした。
速田「何でSATが？」
A「わかりません」
そう言いながら扉の方に歩いていく。硝子越しに厳しい目をした彼等と目が合う。
A「・・・開けますか？」
速田さんにお伺いをたてると頷かれてしまったので、扉を開けると彼等は私を軽く押し退けて部屋に入った。
A「え、あのっ」
速田「何の御用でしょうか」
慌てる私に対し、冷静に問う速田さんに心の中で拍手を贈る。
山中「合同訓練について、NPSに言っておきたい事があってな」
速田「・・・A、珈琲でも淹れて差し上げろ」
A「あ、はい」
速田さんに言われて慌てて珈琲を入れる。その最中に何故か蘇我くんの射すような視線を受け続けた。
A「どうぞ・・・」
珈琲を彼等の前に並べていると、外から賑やかな声が聞こえてきた。
梶尾「駄目ですねぇ、一號くんは。もっとガンガン踏み込んでいかないと」
一號「そういうもんすか？」
梶尾「そうですよ。女心・・・」
扉を開けてからSAT隊員に気付き、慌てて扉を閉める梶尾さんに軽く溜め息をつきながら扉まで行き、開ける。
A「お客さんです。ってか、女心って？」
梶尾「え、いや・・・」
私の問いに回答を濁す梶尾さんに、少し疑念を抱いてしまったのは仕方がないことだと許して欲しい。神御蔵くん達が部屋に入りながら話し掛ける。
一號「何だよ、人の職場にいきなり」
速田「ご挨拶にいらした様だ。明日の合同訓練を前にな」
一號「合同訓練？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 325人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マナ - 雪華さん» こんにちは…聞いてもいいですか？ (2021年7月17日 10時) (
レス) id: 961826b387 (このIDを非表示/違反報告)
雪華(プロフ) - M・Sさん» ありがとうございます！こんな作品を面白いと言ってくださって！頑張って更新していきます！！ (2014年6月8日 18時) (レス) id: 017fc2355a (このIDを非表示/違反報告)
M・S(プロフ) - すごく面白くて、一気に読んでしまいました！続きがきになります！続編頑張って下さい、応援してます！ (2014年6月8日 17時) (レス) id: f9726902e1 (このIDを非表示/違反報告)
愛歌(プロフ) - 続きが気になります♪更新頑張ってください！ (2014年6月6日 0時) (レス) id: 6931f89d5d (このIDを非表示/違反報告)
茉乃音 - 面白いです！これからも頑張ってください！！応援してます！！ (2014年6月2日 18時) (レス) id: 0d8e8f0117 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪華 | 作成日時：2014年5月20日 17時
