24話 ページ26
一號「俺はっ!誰も死なせねぇ・・・」
犯人「何?何言ってんのお前」
一號「何でだ!」
犯人「はいっ?」
一號「何でっ!・・・何のためにこんな事するんだよ!」
必死の思いで吐き出された言葉は、犯人の笑い声にかき消された。
犯人「別に。って言うかノリでやっちゃおうかなぁ、みたいな感じでさ」
そう言いながら帽子と仮面を外し投げ捨てた。
犯人「っていうかぶっちゃけ、社会が悪いんでぇす腐れ公務員さん!大学出たって就職先ろくなのないし?くだらねぇ会社の社畜とかマジで勘弁だしさ。わかんだろ、俺らの抱えてる、えぇっと、あれだ。閉塞感ってやつ」
一號「・・・そんな事の為に人を殺すのかよ・・・もしも人を殺したらその人の周りの人間がどんだけ苦しい思いをして生きていくか、お前・・・考えたことねぇのかよ!」
蘇我「無駄だ。そんな奴に何を言っても・・・」
犯人「そうだよむ〜だ!ってかめんどくさいこと考えたくないし。もういいっしょ、みんなで仲良くここで死ねば」
一號「死ぬなんて簡単に言うんじゃねぇよ!お前は生きて罪を償うんだ!」
犯人「嫌でぇす、バイバァイ」
そう言って携帯へ指を伸ばす。携帯を狙おうにもここからじゃ射線上に神御蔵くんが入るため撃てない。蘇我くんも同じようだった。神御蔵くんの手が携帯に届こうとした瞬間、銃声がした。
速田「神御蔵!確保!」
速田さんが発砲して携帯を弾いてくれたのだった。速田さんの声に神御蔵くんが犯人を押さえる。
一號「確保っ!」
神御蔵くんの言葉に体に入っていた力が抜けてその場に座り込む。銃をホルスターにしまうと、スッと手が差し出された。
A「蘇我くん・・・ありがとう」
差し出された手を取ると、グッと引き上げられ抱きすくめられた。
A「そ、蘇我く・・・」
蘇我「無茶するなと、言ったはずだ」
背中に回された腕が少し震えていた。また彼に心配をかけてしまったみたいだ。
A「ごめんなさい」
素直に謝るとゆっくりと離してくれた。その目を見ると不安そうに揺れていた。
A「大丈夫、心配しないで」
蘇我「無理だ」
間髪入れずに否定する彼に思わず苦笑する。
A「ほら、もどろ伊織」
そう言うと彼は一瞬目を見開いた後、そっぽを向いて狡いと呟いた。そんな彼の背中を押して地上へ戻っていった。
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マナ - 雪華さん» こんにちは…聞いてもいいですか? (2021年7月17日 10時) (レス) id: 961826b387 (このIDを非表示/違反報告)
雪華(プロフ) - M・Sさん» ありがとうございます!こんな作品を面白いと言ってくださって!頑張って更新していきます!! (2014年6月8日 18時) (レス) id: 017fc2355a (このIDを非表示/違反報告)
M・S(プロフ) - すごく面白くて、一気に読んでしまいました!続きがきになります!続編頑張って下さい、応援してます! (2014年6月8日 17時) (レス) id: f9726902e1 (このIDを非表示/違反報告)
愛歌(プロフ) - 続きが気になります♪更新頑張ってください! (2014年6月6日 0時) (レス) id: 6931f89d5d (このIDを非表示/違反報告)
茉乃音 - 面白いです!これからも頑張ってください!!応援してます!! (2014年6月2日 18時) (レス) id: 0d8e8f0117 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪華 | 作成日時:2014年5月20日 17時