10話 ページ12
香椎「カウント―5、4、3、2、1」
隊長の声に体を部屋のすぐ上まで下ろす。
香椎「Go！」
それを合図に神御蔵くんが壁ごとマル被を殴り飛ばし、速田さんがベランダから窓を破り侵入する。玄関からポインターが入り、マル被の残りの一人に噛みついて動きを封じる。速田さんに続き、私も侵入しマル害の元に駆け寄る。
A「もう大丈夫ですから」
母親「えっ・・・」
いきなりの出来事に人質の女性は子供を抱き締めながら呆然としていた。壁から出ている腕を見上げると、穴から神御蔵くんがこっちを見て、笑顔で言った。
一號「警察庁特殊部隊、NPSです！皆さんを守るために参上しました！・・・っいって！！」
古橋「お前それを言ったら駄目だっぺよ、バカ！」
一號「あぁ！！」
慌てて壁の穴を背中で隠すが、すでに遅い。自分が特殊部隊だっていう人、居ないと思ってたけど、まさか身内にいたとは・・・
A「気にしないでください。さっ、立てますか？」
母親を支えながら歩き、外の救急隊の所まで連れて行った。そのあとに荷物をとりに戻り下に降りると、中丸隊長と香椎隊長が良からぬ雰囲気で話していた。基地局へ戻ろうとすると、マル害の夫らしき男性が二人を抱き締めていた。母親は限界だったのか倒れこんでしまった。少年がこちらを見ているのに気付き神御蔵くんが少年の方へ歩き、目線合わせてしゃがんだ。
一號「大丈夫か？僕」
少年「なんで・・・」
一號「ん？」
少年「何であんな奴ぶっ殺してくれなかったんだよ！あんな悪い奴！何でっ！」
泣き叫びながら彼の胸を殴る少年を、ぎゅっと抱き締めた。
一號「ごめんな・・・ごめん、ごめんよ」
涙を流しながら謝る神御蔵くんに胸が締め付けられる様だった。そんな二人の元に隊長が歩いていく。
香椎「戻るぞ、一號」
一號「・・・はい」
涙を拭い、少年を離す。私達に出来ることはもうない。少年が自分で乗り越えるしかない。
神御蔵くんが戻り、基地局へ歩き出した途中、SATの隊員とすれ違う。その中には彼もいた。
一號「・・・蘇我」
蘇我「２８回」
一號「えっ？」
蘇我「お前らが突入する間に俺が狙撃出来たチャンスだ。制圧していれば人質はもっと早く解放出来た。あれ程の心の傷を負わせる前にな」
一號「・・・」
蘇我「・・・いいか。警察の、この国の最後の砦は、俺達SATだ。・・・俺はお前をSとは認めない」
そう言うと仲間のところに歩いていった。
一號「認めさせてやるよ！」
彼の言葉は風へと流されていった―
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マナ - 雪華さん» こんにちは…聞いてもいいですか？ (2021年7月17日 10時) (
レス) id: 961826b387 (このIDを非表示/違反報告)
雪華(プロフ) - M・Sさん» ありがとうございます！こんな作品を面白いと言ってくださって！頑張って更新していきます！！ (2014年6月8日 18時) (レス) id: 017fc2355a (このIDを非表示/違反報告)
M・S(プロフ) - すごく面白くて、一気に読んでしまいました！続きがきになります！続編頑張って下さい、応援してます！ (2014年6月8日 17時) (レス) id: f9726902e1 (このIDを非表示/違反報告)
愛歌(プロフ) - 続きが気になります♪更新頑張ってください！ (2014年6月6日 0時) (レス) id: 6931f89d5d (このIDを非表示/違反報告)
茉乃音 - 面白いです！これからも頑張ってください！！応援してます！！ (2014年6月2日 18時) (レス) id: 0d8e8f0117 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪華 | 作成日時：2014年5月20日 17時
