君と見た世界 (ページ7)

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健「そうだ。ネクタイ外してくれる？」

「え？はい」

言われるがまま、銀地に黄色でバラの刺繍がされたネクタイを外す。その間に用意したのだろう、淡い黄色のネクタイを持つ中島先輩。

健「これ生徒会の証だから」

聡「色ごとに役職決まってるんだよ〜」

マ「僕は会計のオレンジ！」

聡「そんで僕は緑で、書記だよ」

それぞれポッケからネクタイを取り出して見せてくれる。そういえば、ここの5人誰もネクタイしてなかったなと今頃思い出した。

勝「俺が副会長補佐の赤ね」

風「副会長の紫」

健「最後に俺は、生徒会長の青だよ」

「なるほど。それで僕の役職は？」

ネクタイを結び直す中島先輩に問う。あと残ってる役職なんて庶務くらいしか思いつかないんだけど。

健「生徒会長補佐、またの名を"生徒会の姫"」

「なんですか、そのウザったい通り名」

健「Aにピッタリじゃない？」

「断固拒否します」

僕は姫とか呼ばれるような性質の人間じゃない。不名誉極まりない…。

マ「Aくんに似合うよ！」

「うーん、嬉しくないけどありがと」

健「さて、そろそろ行こうか。生徒会室に案内するよ」

「…はい」

ド派手に行われた勧誘のおかげで、あちこちから突き刺さる視線にいたたまれなくなりながら、中島先輩の背中を追ってたら、前の席の子と目が合って哀れみの視線を向けられた。悲しい…。