君と見た世界 (ページ43)

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徒歩5分もない隣の建物には話してるうちにつくわけで。今日の日直の先生誰だろ、怖い人じゃないといいな。

郁「お？どーした」

「郁人くん！やった、大当たりやん」

風「河合、外出届けくれ」

郁「河合”先生”な。ちょっとまってな」

郁人くんがどっかの棚から持ってきてくれた外出届けに名前と理由を書き込む。

風「お前なんて書いた？」

「買い出しです」

風「は？」

「だから、買い出しですって」

風「ちゃんと聞こえてるわ！なんのだよ？」

「暇だからお菓子でも作ろうかと思いまして」

風「だから買い出しね。紛らしいわ。中島のおつかいかと思っただろ」

なぜ買い出しで健人先輩のおつかい認識になるんだろう…？

「紛らわしくてすみません…？」

郁「いや謝るとこじゃないから。ほら、風磨もはよ書け」

風「これでいい？」

理由の欄にでっかくデートと書いて郁人くんに渡す風磨先輩。

郁「理由は正確に書け」

風「ウソはついてない」

郁「そうなのか？」

「デートではありません」

風「ノリ悪ぅ～」

「え、ウザ」

郁「お前も言うようになったな」

「あの中にいれば必然的にね」

風「はい、書き直した」

デートに二重線を引き、その下に買い物と書き直したものを渋々受けとる郁人くん。

郁「次からはちゃんと書けよ」

風「うい」

郁「それと、門限までに帰ってくるのは当然だが、お前はできたら暗くなる前に帰ってこいよ」

「はーい」

風「河合センセー公私混同～」

郁「心配するくらいはいいだろ！」

心配そうな郁人くんに見送られ、寮監棟を後にした。