君と見た世界 (ページ31)

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31. デート ver.Kento④ ページ31

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健「ね、アイス食べない？あっつくなっちゃった」

あちこち見て回ってテンション上がりまくったからかな。僕も少し暑いし、丁度いいかも。

「食べたい！」

健「どれにしよっか？」

店員「カップル限定オススメですよ〜」

ニコニコと笑いながらメニューを見せてくれる店員さん。そっかカップルに見えてるのか……。

健「じゃあ、これにしよ？」

すっごく嬉しそうな顔で先輩は言うけど、僕たちはカップルじゃないんですよ？？

「でも」

健「これ一緒に食べたいな」

ニコニコといい笑顔でそう言われると、拒否りにくいわけでして。

「うっ…わかった」

健「お姉さん、これ2つお願いします」

店員「かしこまりました」

店員のお姉さんを騙すみたいでちょっと申し訳ない…。

店員「こちらお釣りのお返しです」

「あっ！お金…！」

健「アイスくらい奢らせて？」

「先輩、今日そう言って1回もお金出させてくれない」

健「俺が奢りたいんだもん」

店員さんからアイスを受け取って、近くのベンチに移動した。

「全然お礼できてない…」

健「Aを独占するっていうお礼を貰ってるから」

「それお礼になってます？」

健「なってるよ」

健人先輩がいいならいいけど、僕的には物足りなくてお礼した感がない…。でもあんまこだわりすぎると、しつこいよな。

健「そろそろお土産屋さん見に行こうか」

アイスを食べ終えた先輩が時間を確認して、少し寂しそうにする。そろそろタイムリミットが迫ってるってことかな。楽しい時間ってホントあっという間だよね。