君と見た世界 (ページ4)

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中島先輩にまた会おうね。なんてにこやかに見送られて屋上を後にしたら予鈴が鳴ったので、教室に戻ってきた。まあほぼ勝利の後を着いてきただけなんだけど。

勝「どう？覚えられそ？」

「むり！しばらくはずっと一緒にいて」

勝「まあいいけど、早く覚えなよ」

「がんばりまーす。次なんだっけ？」

勝「数学」

ああ、郁人くんの授業か。楽しみにしてたんだよね。

郁「はーい、始めるぞ。席着けー」

ちょっとダルそうな郁人くんが入ってくる。クラス担任持ってないらしいから、郁人くんのクラスは無理だったけど、教科担任なのは嬉しいや。ほぼ毎日確実に会えるもんね。

勝「あれ、A教科書違くない？」

小声で話しかけてくる勝利に、ちゃんと数学用意したはずなんだけど？なんて表紙を見れば、やっぱ数学の教科書。これはもしかしなくても、違う出版社のやつなのでは？

「みたい。勝利見せて」

勝「いーけど、先生に言わないの？あの人結構うるさいけど」

「えー、大丈夫でしょ」

郁人くんだし。

勝「なにその自信」

郁「勝利、A、なに騒いでんだー？」

勝「言わんこっちゃない」

「河合せんせー、僕の教科書違ったんで、勝利に見せてもらってもいーですか？」

郁「おう、いいぞ。新しいのは次持ってくるな」

「ありがとうございまーす」

郁人くんに許可を貰ったので、ガタガタいわせながら机をくっつけてたら、少しだけ振り返った前の席の子に、口パクでうるさいって言われてしまったよ…。美人さんは性格がキツイもんだもんね……しゅん。