君と見た世界 (ページ14)

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健「おかえり」

「健人先輩？あー、お迎えですか？」

健「そう。随分大荷物だね？俺が持つよ」

「ありがとうございます」

またもや過保護ですか。とは思ったけど、衣類って地味に重いからダンボールを素直に渡した。軽々と持ち上げるあたり、さすが男の先輩って感じ。

健「女の子なんだから、今後はこんな時間に1人で出歩いちゃダメだよ」

「はーい。そういえば、なんで僕の本当の性別知ってるんです？」

健「俺は生徒会長だからね。色々と書類見れるんだ」

なるほど。生徒名簿を見る機会があったってことか。公的書類にあたるんで、性別は偽らずに書いてある。…というか別に偽ってるわけじゃない。この学園が特殊だから、色々な面で楽って理由で、男のフリをしてるだけだ。

健「Aが嫌だったら強制はしないけど、生徒会と風紀には性別ちゃんと言わない？」

「なぜでしょう？」

健「これから学園生活送ってく上で不便でしょ？全員は嫌でも、せめて勝利と北斗だけでも…。寮内は俺の手が回るけど、学校では無理だからさ」

「そうですね。後ろめたいことがあるわけでもないですし、同じ寮の皆には言います」

健「良かった」

明らかにホッとした表情の健人先輩。僕なんかよりよっぽど僕の心配をしてるみたいだ。