その男… ページ4
サイド??
今日は朝からワクワクしていた。
なんて言ったってあの子が晴れて公安…然もゼロの所属として帰ってきたのだ。
今思うと、彼女、妻の杏はあの子と自分を重ねていたんだろう…。
彼女は公安警察官としては珍しく女性であったからだ。そして、後から聞いた話だが杏はあの子と同じような境遇であったという。
しかも、彼女が保護された理由があの子と同じ組織であり、さらに自分と重ねたのだ。
杏が【あの子はいずれ、公安を目指すでしょう】と言いだした時には真逆、と思った。しかし、本当にそう言いだしたのだ…。
それから杏はあの子に講義という名目で全ての演技術をあの子に注ぎこんだ。
やがて我々は驚く事を散々目の当たりにした…。
彼女は…恐ろしいほどに頭の回転が速い。それだけでは無い。飲み込まみまで文句無しで早すぎる。
銃を教えれば次の日には100発100中。
体術はその日のうちに全て記憶し使える様になる。
そして…人の全てを見透かし、操る事に長けている。そう、彼女、Aには全てわかってしまうのだ。人の嘘も…何を隠しているのかもその証拠が何処にあるかまで…。
しかしAは全てわかっていてもあえて言わなかった。それが他人に取って不幸だったのが解る優しい子だからだ。
…反抗期に入った時には大変では有ったが。
彼女の功績は大きい。
どのタイミングで突入したら、どうなるか?
1番手っ取り早くて1番の急所を相手に如何に食らわせるか、此方の負傷者は?
それらを全て把握して此方に指示を出す。
私はAの口癖でやっと解った。
『全ては計算とシュミレーションで済む。その結果がコレだよ。』
嗚呼…Aは大人になる前に脳がその成長を超えている。私達の動きも全て読んでいるのだ。その上で策を立てる…。
Aは異才だが…。
此処までとは。
彼女は良く指示出しは命令形で出す。
子供の癖にと部下は言うが、成功してしまえば何も言えないどころか、Aに着いて行く様に指示を出して貰った。
そんな子である彼女、Aにそんな口はきかない方が身のためだぞ。
彼女はゼロの女王様なのだ。
彼女が居たからこそ、今生きている者もいるのだ。
だから…お願いだから、久遠寺Aにそんな口と眼差しを向けるな!
一応、お前達の上司になる女王様だぞ!
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