【短編中編】全員、君依存症【閲覧注意】 (ページ10)

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プロシュート　六畳一間の王子様①　※生存if注意ページ10

宝くじがン億円当たって、即仕事を辞めた。

一生分暮らしていけるかは微妙な額かもしれないけど、一人で生きてく分には困らないと思ったから。もうイヤな上司とも顔を合わせなくていいし、行きたかったイタリア旅行には来れたし！幸せだ！

なんて浮かれてた矢先のことだった。

線路沿いにあるホテルで、男の人の死体を見つけちゃって･････最悪な気分だった。つーか怖すぎるし！！！！警察に通報して、一応事情聴取的なのを受けて怖くなってすぐホテルに戻ってきた。

それで、ホテルのベッドで横になってゆっくりしてた所で、また警察から電話がかかってきた。

なんと、死体だと思ってた男の人は生きてて････重傷だけど辛うじて一命をとりとめていたらしい。で･･････なんとそっからが、怖い話で･････男の人は、身分証も戸籍的なのも何もなくて、身元も不明な人らしくて･･････お金も持ってなくて、ワケありっぽかった。

それで、対応に困り果てた警察の人が私にとりあえず経緯を説明するために連絡をくれたらしい。

別に知り合いでもない、ただのワケありの人相手。別に私がどうこうする義理もないんだけど･････その人がもし･･････何かワケありとかで電車に身投げとかした人だったらって思うと･･･なんだか可哀想に思えてきて････とりあえず病院へ行くことにした。

そしたらさ？いきなりよ？見舞いにきたってことはこの男の人の知り合いなんだろう？治療費と入院費用を払えなんて医者から言われてさ？そんなことってある？

っていうかそもそも警察の人は事情とかそういうのを病院に説明してないワケ？

なーんて思ったけど･････お金の余裕は心の余裕ってことで。

別に義理も何もない相手だったけど、私はその男の人の治療費と入院費を全額払うと言って、契約書にサインをした。

病院側も、まさか私が治療費を払うと思っていなかったらしくて･････驚いた顔をしていた。わかる、私だって驚いてるもん。金額にじゃなくて、私がこんな見ず知らずの人に大金をポンって出してることに。

治療費と、入院費用をサクっと支払って･･･私は病院の人に連絡先として携帯の電話番号だけ伝えて、そのまま病院を後にした。

もうこれでここには用はない。ホテルに戻って寝て、あとはイタリア観光を楽しもう！って背伸びをした。