【短編中編】全員、君依存症【閲覧注意】 (ページ9)

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空条承太郎　昔交わした約束⑤　※過去捏造有り注意です！← ページ9

承太郎君の纏う空気が、いつもの怖いけどちょっとだけ優しい雰囲気だったものから、獲物を狙うような空気に変わった気がして思わず私は身体を強張らせた。

本能で、なんとなくこの話題はもうやめた方がいいと思ったけど、時は既に遅かった。

柔らかい、いい素材のマットレスのベッドに･･･私はゆっくりと身体を倒されて、その上に承太郎君が覆いかぶさるような形になった。

お互いの顔の距離が、息がかかるくらいまで近くなって･･･男性経験どころか、男の人と付き合った経験すらなかった私は緊張と恐怖で震えた。

そんな私の顔を見て、承太郎君は切なそうな顔で呟いた。

「何故そんな顔をするんだ」

『じ、承太郎君がいきなりこんなことするから･･･』

私の言葉に、承太郎君は遮るように言葉を返した。

「いきなりじゃあねえよ」

『え？』

腑抜けた声を出す私の顎を大きな手で抱えた後に、承太郎君は私の唇に自分の唇を重ねた

え？待って！！…これって…キスされたの！？なんて顔を真っ赤にする私をよそに、承太郎君は鋭い目で私を見た。

「何年、お前を待ったと思ってんだ。」

『承太郎君…？』

「初恋だなんてガラじゃあねえのは自分でもわかってるが、諦められねえ自分がいた」

その言葉の後に、承太郎君はゆっくりと私の耳元に口を近づけて呟いた。

「お前から戻ってきやがったんだ。もうゼッテー離してやるつもりはねえ」

鋭すぎる目と、決意のこもった表情を見て察してしまった。ああ、私はもう逃げられないなって。諦めたように強張らせていた身体の力を抜く私に対して、承太郎君は追い打ちをかけるように言った。

「言ったよな？次会った時は…「離れないで…ずっと一緒にいる」なんて…おめえはぬかしやがった。約束は約束だ、ちゃんと守ってもらうぜ。」

ああ、承太郎君は…私の子供じみた約束をずっと胸に秘めて…ずっと私とまた会えるのを待っててくれてたんだ。って…承太郎君の言葉を聞いてすとんと納得してしまった。

幼い頃の承太郎君からは、随分成長して…逞しくて…ちょっとコワイ感じになっちゃったけど･･･でも、こんなに私をずっと想ってくれていた承太郎君の言葉を、拒否しようなんて気持ちにはなれなかった。

何を言っていいかわかんなくて…私は承太郎君の首にそっと手を回して、返事の代わりに今度は私からキスをした。

そしたら、承太郎君は満足そうに笑ってくれたから、きっとこれが正解なんだと思った。