【短編中編】全員、君依存症【閲覧注意】 (ページ5)

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空条承太郎　昔交わした約束①　※過去捏造有り注意です！← ページ5

昔、私が幼稚園くらいの頃･･･近所の立派なお屋敷に男の子が住んでいて･････お母さん思いの優しい子だった。私もその子も相撲が好きっていう変な共通点があったので、すぐに仲良くなった。

お互いの家に遊びに行って、録画した相撲のビデオを見たりとか、あとは一緒に普通に公園でボール遊びをしたりとか･････毎日楽しく過ごしてたんだけど･････私が小学生に上がったくらいの時に、親の都合で引っ越さなきゃいけなくなって････私はその子にそれを伝えた。

わんわんと子供みたいに泣いて、私は大事にしてたお相撲さんのキーホルダーをその子にあげた。

『いつか絶対また会おうね！その時は･･･離れないで･･･ずっと一緒に居たいな･･･』

なんて････叶うはずもない子供じみた約束を私が言うと、男の子は涙をぐっとこらえながら頷いてくれた。

サヨナラは言わなかった。また会えるって信じて。

そこから１０年くらい経って･･････私は家族と一緒に自分の地元に戻って来たんだけど･････引っ越してきたばかりの家の前に、大きな身体の学ランを着た男の子が立っていて･････私をじーっと見ていて･････今、家に入れないでいる状況だ。

一体なんなんだろう？カツアゲとか？私お金持ってないんですけど･･････っていうか怖いんですけど････うちに何か用かな？

ええい、こんな所で立ちすくんでいても、仕方ない。怖かったけど、思い切って声をかけてみることにした。

『あの、すいません･･･その家は、私の家なんですけど････何かご用でしょうか？』

私の言葉に、男の人は深く被っていた帽子を上げて、真っすぐに私を見つめた。

「家に用は無ェが、お前に用があって来た。」

『･････私ですか？』

どうしよう、もしかして････知らないうちに彼の足を踏んじゃってたとか？ぶつかっちゃってたとか？何か悪いことしちゃってたのかな？って････おろおろ怯える私を見て、目の前の学ランの彼はフッと笑った。

「ああ、もうおれのことなんざ忘れちまったか？」

『･････忘れるって･･･え？』

少しだけ、笑みを浮かべながら差し出されたのは････昔、友達にあげたお相撲さんのキーホルダーだった。

それを見て、思わず言葉を失った。

『もしかして･･･承太郎くん････？』

私の言葉に、目の前の彼は満足げに微笑んだ。

「ああ、昔の約束を果たしに来たぜ。」

って。