【短編中編】全員、君依存症【閲覧注意】 (ページ23)

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岸辺露伴　気付いたら愛していたんだ　① ページ23

※露伴視点

最近僕の家の近所で知らない子供を見かけるようになった。なんの変哲もない、フツーのガキだ。他にいる周りのガキと同じように、最初は特に気にしてはいなかった。どうせ僕の人生に関わることはないと思っていたからだ。

でも僕は、そんなフツーのガキがある才能を秘めていることを知った。

「･････凄いな･･･」

双眼鏡で、好奇心でその子供が近くの公園のベンチで書いている絵を覗き込んだ。そうしたら、なんてことだ！！鉛筆１本で描くその景色は、僕をあっという間に引き込んだ。

そこからは、暇な日はそのガキ････いや、彼女が絵を描くのをこっそり覗くのが日課になった。

平日の１５時半からキッカリと３０分。毎日同じ時間に同じ場所に座って絵を描いている。少しずつ彼女のスケッチブックの空白が、彼女の描く線で埋まっていくのを見るのが楽しかった。

彼女自体はフツーのガキで、興味なんて無かったが彼女の指先から紡がれる世界は僕にとってとても興味深くて好奇心をくすぐられるモノがあった。一体どんな考えをしていて、どういう物事の捉え方をしていたらああいった絵が描けるんだろうか。気になって仕方が無かった。

「いっそ僕の能力で、ちょっくら覗いてやるのもいいかもしれないな･･･漫画のネタにもなるかもしれないからな･･･」

そんなことを考えた僕は、どうにかして彼女のスキを突いてウマいこと天国への扉(ヘブンズ・ドアー)を使えないかと考えた。

ヘタにいきなり声をかけても、不審がられる可能性もあるからな･･･まずはネームを描き終えて･･･その後作戦を練ることにしよう。