【短編中編】全員、君依存症【閲覧注意】 (ページ3)

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リゾット・ネエロ　優しい檻③ ページ3

名前も知らない、背丈の大きな赤い目をした男の人は･････不思議な力を持っていて････その不思議な力で、私の足に枷を作り出して･･･私の足の枷とベッドを鎖で繋いだ。

最初は、怖かったけど･････男の人は文字通り私がじっと部屋で大人しくしていると、私を傷つけようとはしてこなかった。

それどころか、温かい食事を出された。男の人が仕事だと言って外に出ている間････私が退屈しないようにと女性向け？の雑誌も何冊か買ってきてくれて･････私に渡してくれた。

元の家にいたときと比べたら、信じられない位の、好待遇っていうか･････大事にされてる気がした。

変なの、私はあの人の名前も知らないのに････どうしてこんなに大事に･････丁重に扱ってくれるんだろうって不思議な気分になった。

男の人が置いて行った食事を食べて、ベッドの上で雑誌を読んでいるうちに眠くなってきてしまったので･････ベッドの上でうとうととしていると、玄関から音がした。

男の人の赤い目が、真っすぐと私を見ていた。家の中に血の匂いが漂った。多分、また･･･私の叔母さんにしたように･････今日も誰かを殺してきたんだろうと直感で理解した。

「A、俺が怖いか」

男の人が返り血のついた服のまま･････私の傍まで来て呟いた。

私はすぐに首を振った。本当に･･･怖くなんてなかった。

『怖くないです、美味しいご飯に温かい寝床まで提供して頂き、感謝しかありません』

初めてあった時と同じように、私が床に両手をつけて、頭を下げるとすぐに私の手を掴んで彼はそれを辞めさせて、血まみれの服のまま私の身体をぎゅっと抱きしめた。

「A、そんなことはしなくていい。お前はただここで、俺の帰りを待っていればいい。」

『････わかりました』

彼が私に何をして欲しいのかなんて･･･察しが悪い私にはわからなかった。身体目当てで私を襲うために連れてきたのかと思ったけど･････私の身体はやせ細っていて貧相すぎるし･･･彼の態度から見るにソレ目的ではないことはすぐにわかった。

ただ、赤い目の彼は････私の身体を抱きしめたまましばらく私の頭を撫でた後に、手を放してそのままシャワーを浴びに浴室まで歩いて行った。

その背中を見送った後に、私はベッドの上に上がって脱衣所の方を見ながら、赤い目の彼が出てくるのを待つことにした。