【短編中編】全員、君依存症【閲覧注意】 (ページ18)

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リゾット・ネエロ　檻から飛び出して ③　※生存if注意　優しい檻の続編です　執着ヤンデレ気味注意ページ18

リゾットさんと別れてから、時間はどんどん経った。

リゾットさんは「俺のことは忘れて欲しい」って言ってたけど、私は忘れられなかった。

いや、忘れたくなかった。

初めて私に、惜しみない愛情をくれた人だったから。

新しく海沿いの町で家を借りて、仕事も見つけた。なんとなく前に住んでいた家とは距離を置きたかったから。今私がこうやって生活できているのも、全部リゾットさんのおかげだ。何か恩返しがしたかったけど････リゾットさんが何処に行ったかもわからなかった私は、ただ淡々と、毎日を過ごしていた。

そして･･･少しだけ今の暮らしに慣れてきた時だった。

ふと、誰かに私の名前を呼ばれた気がした。

(「A････････」)って。それは聞きなれた優しい声だった。

その直後に、頭痛がして････なぜか頭の中に海岸の風景が浮かんだ。

『･･･････リゾットさん？』

なぜかわからないけど、リゾットさんが私を呼んでいる気がした。

ただの私の妄想かもしれない････けど、私は居てもたっても居られなくなって･････頭の中に浮かんだ風景の場所まで無我夢中で走った。

頭の中に浮かんだ場所は･･････見知った場所だった。私が海沿いを散歩している時に見たことのある景色だった。

途中何度かこけそうになったけど、直感が働くままにその場所まで行った。

そして、私はそこで信じられない光景を見てしまった。

『リゾットさん！！！！！』

そこに居たのは、血まみれで倒れているリゾットさんの姿だった。

身体には銃で撃たれたような跡があって、痛々しすぎるその姿に無意識に悲鳴を上げた。

まだ身体は暖かいけど、どんどん冷たくなっていくのを感じた。これじゃ救急車も間に合わない。いや、もう手遅れなのだろう。私の言葉にリゾットさんは返事をしない。心臓の音もどんどん弱くなっていく。

やだ、やだ･････！！！このままリゾットさんが死んじゃうなんて、絶対に嫌だ。私はどうなったっていい。神様、どうか････････リゾットさんを生かしてください。どうか、どうか･････････！！！

体中の水分が目から出てるんじゃないかって位、泣きじゃくった。強くリゾットさんの身体をぎゅっと抱きしめた。

その時だった。

(「個体名、リゾット・ネエロ･････彼の寿命を延ばしますか？」)

って･･･よくわからない声が頭の中で聞こえた。