【短編中編】全員、君依存症【閲覧注意】 (ページ16)

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リゾット・ネエロ　檻から飛び出して ①　※生存if注意　優しい檻の続編です　執着ヤンデレ気味注意ページ16

リゾット・ネエロ･･････そう名乗る、赤い目をした男の人にアパートの一室に入れられて数か月経った時のことだ。

「A、この家を出ろ。この部屋は引き払う手続きをした。」

唐突にそう言われて、私名義の通帳を渡された。そこには、私が一人でも暫く暮らしていけるくらいの大金が入っていた。

『･･････これは？』

私が困惑しているうちに、付けられていた足枷も外されて･････リゾットさんはその後に私をぎゅっと抱きしめた。

「･････長い間････閉じ込めて悪かった。出来ることならば、お前と共にこれからも生きて居たかった。」

その言葉で、わかってしまった。この人はきっと死ぬつもりなんだろうって。それで、私を遠ざけて巻き込みたくないと思ってこうしているんだと。

初めて血まみれの彼を見た日からわかっていた。普通の仕事をしている人じゃないってことは。それでも････それでも、彼は･･･リゾットさんはこの部屋に居る時は、私に凄い優しくしてくれて、丁寧に大事にしてくれた。私のことを愛してくれていた。

人殺しで、本当は凄い怖い人だったとしても････私にとっては暖かくて優しい人だった。気づいたら、そんなリゾットさんが私も大好きになっていた。

大きな彼の背中にそっと手を回して、声を殺して泣いた。きっと私が離れたくないって喚いても、彼の決意は固い。彼を困らせてしまうだけだ。

「俺のことは忘れて、幸せに生きて欲しい。愛している、A。」

リゾットさんは私の唇に、自分の唇をそっと重ねてそう囁いて、優しい笑顔を見せた後に････そのまま私に背を向けた。

その背中に、私は目いっぱい、涙声のまま叫んだ

『私を････人形から人間に戻してくれて･･･優しくしてくれて、ありがとうございました！！！私もリゾットさんのこと、愛してます、これからも･･･これからも、ずっと･････！！！』

ぼろぼろと流れる涙で顔がぐしゃぐしゃになりながらも、目いっぱい叫んだ。リゾットさんは家を出る前に、一瞬だけ振り返って私の顔を見て微笑んで、そのままドアを閉めて行ってしまった。