プロシュート 六畳一間の王子様�ァ、╂限�if注意 ページ14
結局、イタリアからやってきた王子様ばりのルックスを持つ彼は･････家に押しかけてきた時に宣言した通り、ずっと家に居る。
「A、腹減った」
『冷凍庫にピラフがあるのでチンして食べてください』
「あァ？ヤダよ、Aの作ったモンがいい」
『････わかりましたよ』
私のベッドで勝手にゴロゴロしながら、パラパラと雑誌を見ながら堂々とワガママを言ってくる居候の人････いや、プロシュートさんにしぶしぶと返事をして台所に立った。
「オレ、Aの作った卵焼きが食いてェ。甘くねぇヤツ。」
『はいはい･･･』
私の隣に立って、ニカッと歯を見せてリクエストを出してくるプロシュートさんに、返事をした後に冷蔵庫から卵を取り出して割った。溶き卵をフライパンに乗せると、じゅわ〜って音が台所に広がった。
「コレコレ！いい匂いだ！腹減って来たぜ！」
なんだか、ずるい。そんないい笑顔で･･･嬉しそうに私の作った料理を楽しみに待ち望んでます！ってカオされたら･･･こっちだってワガママ言われても許しちゃうじゃんか。でも、ちゃんとやることはやってもらいますけどね。
『プロシュートさんのリクエストを聞いてあげたので、私からのリクエストも聞いてくださいね。食べたら後でお風呂掃除してください。』
「あァ？！ヤダよダリーし！」
『反論は認めません』
くるくると焼いた卵を箸で巻きながら不愛想に返事をすると、プロシュートさんはチッって舌打ちした後に渋々と了承した。
「わーったよ、やりゃいいんだろォ･･･」
不満げに私を見ながらそうやってボヤくプロシュートさんを見て、私はちょっとだけ笑いそうになった。最初はギャングとかなんか言ってて怖かったけど、今は慣れちゃったなぁって。
プロシュートさんと私の関係は、友達でもない家族でもない恋人でもない･･･よくわからない関係で･･･でも、イビツだけど成り立っている･･･そんな不思議な関係だ。なんて、そんなことを卵焼きを皿に盛りつけながらぼやーって考えていると、プロシュートさんが私に不意打ちをしてきた。
「なァ、A」
『はい？』
「日本では、プロポーズの時に「俺の味噌汁を毎朝作ってくれ」って言うんだろ？」
『まあ、古い言葉ですが言うみたいですね』
「じゃァ、オレには味噌汁はいらねーから、卵焼き作ってくれよ。」
使い慣れた箸を器用に使って、口に卵焼きを放り込むプロシュートさんの言葉に私はフリーズした。
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作者名：ロロロとラララ | 作成日時：2023年9月17日 12時
