【短編中編】全員、君依存症【閲覧注意】 (ページ13)

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プロシュート　六畳一間の王子様④　※生存if注意ページ13

仲間も、ギャングとしての立場も･････野望も何もかも失ったオレが、病院から出た後に向かったのは日本だった。

このままイタリアに居ても、オレは組織を裏切った人間として制裁を受ける可能性が高い。別に全てを失った今、そうなっても構わねェと思っていたが･････なぜか、重症のオレを････見ず知らずのオレのために･････ポンと金を出したお人好しのあの日本人に、何故かもう1度会いたいと思った。

だからオレは、組織に居たときのツテをバレないようにこっそり使って、パスポートと身分証を偽造して･･････あのお人好しから貰った金で、飛行機に乗り込んだ。

アイツの居場所？そんなモン簡単だ。携帯電話の番号さえありゃすぐ探せた。

ポン！とオレのために多額の入院費用を支払った上に、大金を渡してきた割には････アイツの住んでいる家はボロいアパートの一室だった。

玄関の鍵も閉めていない不用心すぎる平和ボケした女の顔を見たら、何故か笑えて来ちまった。

怯えながらオレを見る目に、なぜかオレは高揚感を感じた。今まで相手してきてやった女は皆オレの顔を見るとキャーキャー黄色い声をあげて、嬉しそうにすり寄ってくるからこの反応は新鮮だと思った。

「おい、オメー･･･名前は？」

『･････不法侵入者になんでわざわざ名前を教えないといけないんですか？』

「いいじゃねェか、これからオレの飼い主になって貰うんだ。名前くらい知らねえと不便だろォが。それとも、「ご主人様」って呼ばれる方が好みかァ？」

『そもそも飼い主ってなんなんですか？！意味わからないんですけど！！！』

「そのままだよ、今日からオレはここに住むから、世話になるぜ。」

『いやいやいや！！！許可するわけないじゃないですか！！！』

「身内も行く場所も金ももうオレには無ェんだ。嫌っつっても居座らせてもらうぜ。」

『･･････はぁ･･･････』

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押しかけ女房ならぬ押しかけ兄貴。