【短編中編】全員、君依存症【閲覧注意】 (ページ12)

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プロシュート　六畳一間の王子様③　※生存if注意ページ12

イタリア旅行を終えて････日本に帰ってきて･････半年くらいが過ぎた。

仕事もせず、ただ家で寝て起きて、たまに外に友達と出かけて･･･買い物に行くだけの怠惰すぎる日々を私は送っていた。

パラパラと雑誌をめくりながら海外旅行はちょっとイタリア旅行の件でトラウマになったので、次は無難に日本国内の温泉でも入りに行こうかなぁ～なんてベッドの上でゴロゴロしながら考えていた時だった。

背後から、急に声が聞こえてきた。

「オレに大盤振る舞いした割には、随分ショボい部屋に住んでるじゃねーか。あァ？」

『･･････えっ！？』

驚いて振り向くと、そこには半年前に私が助けた金髪の男の人が立っていた。え？なに？これ？どういう状況？っていうかこれ不法侵入ですよね？警察････そうだ！警察！って思って携帯電話に手を伸ばそうとすると、そのまま手を掴まれて、ベッドの上に押さえつけられた。

「玄関のドアを開けておくなんて、随分不用心じゃねェか。見る限り、女の一人暮らしだろ？日本っつーのはそんな安全で平和な国なのかァ？」

ぎりぎりと、痛いくらいに手首を掴まれて思わず身震いしそうになった。なぜこの人はココにいるんだろう？どうして私の居場所がわかったんだろう？っていうか･･････何しにきたの？強盗？

掴まれた手首の痛みに、顔を歪ませていると目の前の男の人は、それに気付いて手を離した。

『い、一体なんなんですか？！』

ずきずきと痛む手首を抑えながら、私が質問を投げると男の人はハンッ！って笑った後に衝撃的発言をした。

「オレ、組織も死亡扱いになっちまっててクビになっちまってて仕事も無ェし、イタリアに居たら命が狙われる可能性があってよォ･･･まァ、つまりワケありっつーコトだ。しかもオレには、身寄りも家族も居ねェ。」

『･･･････は、はぁ･････それが私に何の関係が？』

「まあ、助けてもらった上で申し訳ねーが、オメーに飼ってもらおうと思ってなァ！よく見たらオメー、顔も悪く無ェし････ギャングだったオレを見ても、ビビらねェトコも気に入った。」

『ギャング････は？え？飼うって？は？』

状況をうまく飲み込めてない私がパニックになってると、男の人は王子様みたいな見た目とは裏腹に豪快に笑いながら言った。

「つまり、これから世話になるぜってことだよォ！」

って。

ねえ、ほんと、冗談じゃない。カンベンしてほしいんですけど･･･？