【短編中編】全員、君依存症【閲覧注意】 (ページ11)

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プロシュート　六畳一間の王子様②　※生存if注意ページ11

楽しい時間はあっという間に過ぎて･･･予定していたイタリア旅行も最終日を迎えた。

いやー、ご飯は美味しいし･･････ある程度観光の名所は回れたし、割と満足したかも。あとは日本に帰って久しぶりにお寿司でも食べれたら嬉しいな～！って････鼻歌を歌いながらホテルからチェックアウトをした時だった。

私の携帯電話がホテルを出た直後に鳴ったので、なんだろう？って思って出たら、初日に遭遇した死体だと思ってた男の人が意識を取り戻したらしい。

え～････行く必要ある？なんて思ったけど････飛行機のフライトの時間まではまだ余裕があったし････一応顔だけちらっと見に来い的なことを言われたので、しぶしぶと病院へと向かった。

看護士さんに声をかけて、病室に入ると･･････そこにはびっくりするくらい美形な男の人が居て･････私はポカンと口を開けた。

顔半分に包帯は巻かれてて、右手も手術？して繋ぎ合わせたのかわからないけど････とにかく包帯まみれだった。

でも、包帯がない部分からでもわかる、その超絶的に整った美形な顔は･･････まるで物語に出て来る王子様みたいだと思った。

男の人は、私を見て睨みながら言った。

「オメー、一体何の目的でオレにここまでの施しをした？どっかの回しモンか？」

『････････っはぁ？！』

予想外すぎる第一声に、私は思わずムカついてしまって、大き目の声を出してしまった。

『どっかの回しモンどころか、普通の通りすがりの日本人ですけどっ！！！』

「････うるせーな･･･こっちは大怪我してんだよ、もう少し抑えろ」

なんて、めんどくさそうな顔をされて更に腹が立った。なんで助けた相手にうるせーとか言われて････こんなヘンな扱いを受けなきゃいけないの！？おかしくない？！って。

カッコイイなんてちょっとだけ見惚れちゃってた私がまるでバカみたいだと思った。

『･･･うるさくして申し訳ありませんね！うるさい人はとっとと去りますので、どうぞお元気で！あ、なんかワケありっぽかったので･･･一応また電車で飛び込みとかやられるとこっちも夢見が悪いんで･･･これで暫くは頑張って凌ぎつつ頑張ってくださいね！おいしいご飯食べると元気出ますよ！』

って、半ば強引にいくらかお金を無理やり押し付けて、私はそのまま病室を後にした。

背中のほうから、

「ハンッ、お人好しがよ」

なんて聞こえてきたけど･･･聞こえないフリをした。