【短編中編】全員、君依存症【閲覧注意】 (ページ1)

今日:12 hit、昨日:12 hit、合計:9,205 hit

リゾット・ネエロ　優しい檻① ページ1

本当の両親が死んで、お金持ちの親戚の叔母さんに引き取られてからずっと私は虐待を受けていた。

家事を一通りやらされた後は、地下室に閉じ込められて･･･そこで最低限の食事を出される日々だった。

「家事は一通り終わった？ならこれをやるから地下へ戻ってなさい！」

そう言われて乱暴に袋に入ったパンとペットボトルに入った水だけ投げつけられるように渡されて、埃っぽい地下室へと私は降りた。

軽くこんこんと咳をした後にペットボトルを開けて水を飲もうとすると、急に上の階から悲鳴が聞こえてきた。

叔母さんたちの悲鳴と････銃声が聞こえてきた。しばらくして････家の中は静かになった。様子を見に行きたかったけど、重労働の家事をさせられた後だったので、動く気力もなかった。

地下室の端に座って静かにパンをかじって、水を飲んでいると、天井にある地下室の出入り口のドアが空いた。

「･･････誰かいるのか？」

『････！』

「･････お前は･･･」

地下室に座る私の前に現れたのは、黒いフードを被った赤色の瞳をした男の人だった。黒い洋服と、筋肉質な身体に返り血がついている。

本能的に、殺されるんだってなんとなく思った。けど、こんなドレイみたいな人生なんて死んでるのも同然だって思ってたから･･･殺されたって構わないと思った。

『あの･･･殺すなら･･･なるべく楽に殺してほしいです。お願いします。』

持っていた水を置いて、男の人の前で土下座するようにして頭を地面につけて懇願した。
でも、なぜか私は殺されなかった。

「････騒ぐな･･･騒がなければ殺さない。」

男の人にそう言われて、身体を抱え上げられた。地下室を出た途端、血の匂いが辺り一面に漂っていて･････吐きそうになったけど、吐いたらこの人に怒られちゃうって思ったから、口を塞いで目を瞑った。視界の端に、かつて叔母さんだったであろうモノが目に一瞬だけ映って･･･ごくりと唾を飲み込んだ。

私はこれからどこへ連れてかれちゃうんだろう？何をされちゃうんだろう？痛い思いをするくらいならいっそ殺してほしい。家族も何もかも失ったドレイみたいな人生だったから。これ以上生きて居たくもない。

そんなことを考えているうちに、連れてこられたのは少し古めのアパートの一室だった。

『････？』

少し硬めのベッドの上に降ろされて、唖然とする私に男の人は言った。

「今日からここがお前の家だ」って。