まぁ、雨の日も悪くは無いかな。【QK】【短編集】

塾の帰りに雨は辛いよ‐izw ページ2

A side



私の憧れである講師は、今めちゃくちゃ人気のあるクイズ王の伊沢拓司先生である。





そして、その憧れの講師とマンツーマンで勉強を教えて貰っている。






「ここはねー…こうして。こうすると…解きやすくなるんだ」




めちゃくちゃ優しく教えてくれる先生。





『あー…せんせー…疲れたよー…』





うちの塾は、90分ある中で40分やって休憩がある。
そして今は、休憩時間だ。





「Aさん、初めに入った時にくらべてめちゃくちゃ髪の毛伸びたよね」






『そこ、成績の話じゃないんかーい…むぁ、でも伸びたかな…』





「はっはww長い髪好きだな。俺」





そう言うと、「はい、休憩終わるよ。あともうちょっとだから頑張って」





と言われ、頑張ること50分




ﾋﾟﾋﾟｯﾋﾟﾋﾟｯ




「終了だね。お疲れ様」




『ありがとうございましたー。伊沢せんせー』ﾆｺｯ





疲れたなーと思って、外に出ると。





ｻﾞｰｯ





『うわ…傘忘れた…濡れて帰んのやだなー…』






雨が降っていて、帰れる様子じゃない。
ふと後ろから声がして






「あれ？Aさん？あ、傘ないの？」





伊沢先生が、声をかけてくれた。






『はい、大人しく濡れて帰ります…』





「あー…えとAさんが、良いなら送ってあげるよ」





『えっ！？良いんですか？？！』






「うん、傘あるからさー」




と言って、傘を準備しだした。





「はい、どーぞ。入って！」





『お、お邪魔しますー？』






と言って、私は伊沢先生の隣を歩く。






『伊沢先生って、雨の日好きですか？』





ふとそんな質問をしてみると、伊沢先生は






「雨の日かー。湿気の匂いとかあまり好きじゃないな。あーけど、好きな人と隣にいると悪くないなって」



『伊沢先生好きな人いるんですねー？いいなー。』





「そんな事ないよww俺、恋愛に関しては本当に何もわかんないし」





『えー、じゃあ私が乙女心教えてあげますよ！なんちゃって！w』





そう言うと、伊沢先生は目付きを変えた。

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