始業式 ページ5
ﾋﾟﾋﾟﾋﾟ ﾋﾟﾋﾟﾋﾟ
アラームの音で目が覚める。
春休みだったからこの音久しぶりに聞いた気がする……
今日は始業式。
今年の春休みはバタバタしててあいつらに会わなかったからなぁ……元気にしてるかな。
と言っても会ってないの二週間くらいだけど。
一階に降りても智くんはまだ起きていないようだった。まぁギリギリまで寝てるって言ってたしな。
そんなことを考えながらトーストを焼きつつコーヒーを淹れる。
朝食を食べていると半分寝ている智くんが降りてきた。
「ぉはよ……」
「おはよ、智くん。顔洗ってきなよ」
「ぅん……」
「トーストでいい？コーヒーいる？」
「ぅん……」
うん、聞いてねぇな。
ヨタヨタと洗面所に向かう姿に苦笑いしつつ、智くんの分の朝食を用意する。
「ふぁー、ねむ……」
丁度パンが焼けたところで、さっきより少しだけ覚醒した智くんが帰ってきた。
「はい、どーぞ」
座った智くんの前にトーストとコーヒーを置く。と、びっくりした顔をして俺とトーストを交互に見ている。
「……え、これ翔くんが作ったの？」
「うん」
何か変だった……？と少し不安になる。
が、杞憂だったようで
「トースター使えるの？コーヒーもできるじゃん！」
と予想の斜め上の答えが返ってきた。
「……は？」
「なんだー。翔くんのお母さん、何もできないって言ってたから。朝ごはんならできるんだね。」
すごいすごいと俺を褒めてくれる智くん。
……いやいや。
「それくらいできるよ！」
「あ、そうなの？」
意外、とでも言いたげな顔を向けられる。心外だ。
「トースターの使い方は母さんが出発する前にちゃーんと覚えました！」
舐めてもらっちゃあ困るよと得意げに言ってみたが、返ってくるのは慈愛に満ちたような、それでいて哀れなものを見るような、何とも言えない視線。
「うんうん、偉いな翔くん。」
しまいには子供にするように頭を撫でられてしまった。
智くん、まだ寝惚けてるんだな。きっとそうだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 391人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
浅葱(プロフ) - 奏子さん» 奏子さん初めまして！コメントありがとうございます！デュエット曲は約束された勝利ですね.......！（？）聴いてみます、ありがとうございます！ (2020年1月7日 9時) (
レス) id: d949825ab6 (このIDを非表示/違反報告)
奏子(プロフ) - 初めまして！山のイメソンという事でコメントさせて頂きます。私的山イメソンは｢フタリボシ｣という曲です！聞けば聞くほど歌詞が山だし、デュエット曲なので2人に歌って欲しい･･･とまで思います！ぜひ聞いてみてください！！ (2020年1月7日 7時) (レス) id: 090040e25a (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - さのまるさん» コメントありがとうございます！俺たちのソング最高ですよね〜！春蕾、聴いてみます。ありがとうございます！ (2019年12月28日 15時) (レス) id: d949825ab6 (このIDを非表示/違反報告)
さのまる(プロフ) - 初コメ失礼いたします！天神祭り曲反応してしまいますよね〜！定番ですが2人の俺たちのソングが思い浮かびますかね。あと米津さんの春蕾は超山です。是非聴いてみてください！ (2019年12月28日 8時) (レス) id: e43f86b98a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：浅葱 | 作成日時：2019年12月14日 20時
