１３ ページ14
フェイside
Aに手を引かれて来た場所は静かな湖だった。
日も暮れてきて、蛍が飛んでいる。
湖の水はエメラルドのような青で日の光を浴びて輝いてる。
気からはなぜか氷の氷柱がぶら下がっている。
フェイ「ここは？」
貴「私の秘密の場所よ。」
フェイ「誰も知らないの？」
貴「ウルフとセイアンとレーゼルは知っているわ。少し寒いかな」
フェイ「うん、少し。」
貴「この湖の周辺だけは他と比べて少し寒い。何でだかはよく分からないけれど。」
フェイ「でも、ここがなぜ秘密のば場所なの？」
貴「ここでレーゼルとセイアンに出会ったの。その時の記憶もハッキリしたものじゃないけど……
この場所で私は助けられたの。」
フェイ「そっか。」
Aは僕を手招きして、湖の水を見るように言う。
僕は恐る恐るその湖をのぞいた。
貴「フェイ。」
フェイ「なに？」
貴「やっぱり私も人間なんだね…。」
フェイ「？？…」
貴「少し…安心してるんだ。この世界には私以外にも人間がいたんだって。」
フェイ「………。」
今まで1人だったんだ…。
僕は湖に映ったAの悲しそうな顔をじっと見ていた。
Aは泣きそうな顔を見せないように、と自分の映ったところの水を弾いた。
フェイ「もうひとりじゃないよ。」
貴「そうだね…。」
フェイ「A。」
貴「なに？」
フェイ「トクロスって本当にいるの？」
Aはしばらく湖の見つめたあとに言った。
貴「いるわ！私、見たのよ。トクロスを！」
フェイ「！」
貴「きっとトクロスが森を守ってくれる！
今はその力がないだけ……トクロスは常に力を持っているわけじゃなくて…少しずつ力を貯めているのよ。
トクロスには余地の力がある…だから、トクロスが現れたということは何かこれかは起こるかもしれないということ！
だから、……トクロスが来るまで私がこの森を守らなくちゃ！」
トクロス………
1度だけ本で名前を見たことがある。
《森の精霊トクロス》
その姿を見れるのは特別な力を持つ人間と森に住む動物のみ。
っていうことは…
Aには何か特別な力がある。
だから、プロトコルオメガにも狙われているのかな？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 9人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：瑠姫（フィリア） | 作者ホームページ：
作成日時：2017年5月18日 16時
