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不思議と背中の傷の痛みは感じなかった。
二箇所も刺されているのに。
血が大量に溢れたことにより、意識が朦朧として来たサンドゥルはそのままゆっくりと倒れた。
sd「ねぇ……ジニョン様は約束を破ったことがありませんよね…？だから嘘ですよね…？今のってただの夢ですよね…？」
王に殺されるなんて…。
そう思った時、サンドゥルは閉じてしまいそうな目をカッと見開いた。
ジニョンは王に殺された。
自分が王を殺さずに誰が殺す…？
サンドゥルは重たい体を起こし、ゆっくりと立ち上がった。
意識がはっきりしなくて視界が歪むがジリジリと、歩き始めた。
バロが倒れているところまで行き、転がっている刀を拾い上げた。
sd「私はまだ死ねない………私の使命を……果たしていない……。」
サンドゥルは憎しみを腕に送り、残った力をかき集めた。
目の焦点が…合ってきた。
少し先に王の後ろ姿が見える。
何も躊躇うことはない。
サンドゥルは足に力を入れ走り出した。
とどめのセリフなど吐かない。
あいつを指す前に力尽きたら困る。
何も考えず刀を振ればいい…。
そして…サンドゥルは王めがけて、勢いよく弧を描きながら刀を突き刺した。
ーグサッー
奇妙な音と共に憎しみの込められたその刀は、王の心臓に命中した。
王のちっぽけなその心臓に。
王は目をカッと見開き、口を大きく開けた。
視線を落とし自分の胸から突き出た刃に目をとめる。
王「あ………。」
ピクピク動いたかと思えば、そのまま倒れこんだ。
終わった。
この国を自由に自分の意思だけで回してきた命が、一瞬で幕を閉じた。
やり尽きたサンドゥルは力が全て抜けたかのように、ズサっと倒れこんだ。
sd「ああ……。」
力なく呟くとまた涙が流れてくる。
今まで何度もジニョンに助けてもらったのに、自分は助けられない無力さに嫌気がさす。
最後に言ったジニョンの言葉。
『君ありて幸福』
ゼラニウムの花言葉。
二人の絆を確かめ合った花。
その時ふと思い出した。
『これは警告灯。いざという時これで煙を上げて。助けに行くから。』
サンドゥルはジニョンがくれたゼラニウムから作ったという警告灯を思い出すと、ポケットからそれを取り出す。
それを見て力なく微笑むとジッポを取り出し、警告灯に火を付けた。
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紗羅(プロフ) - 爺夜光さん» 爺夜光さん、感動して頂けて嬉しいです！(/ _ ; )名言！そんなこと言ってくれるんですね(つД`)ノ笑笑 (2014年11月10日 1時) (
レス) id: e34e972bbb (このIDを非表示/違反報告)
爺夜光 - めちゃめちゃ感動しました（；＿；）ジニョンありて幸福。は名言だ！！！！ (2014年11月9日 15時) (レス) id: 09e6700f3a (このIDを非表示/違反報告)
紗羅(プロフ) - こっとん .さん» こっとんさん、そんな事言って頂けて逆に感動です＞_＜最後まで見ていただいてありがとうございます！！(/ _ ; ) (2014年11月7日 4時) (レス) id: e34e972bbb (このIDを非表示/違反報告)
こっとん .(プロフ) - 凄く感動する物語でした！！ゼラニウムと花言葉が大好きになりました。。。！ (2014年11月6日 5時) (レス) id: ab9d7740e7 (このIDを非表示/違反報告)
紗羅(プロフ) - すんすんさん» すんすんさん、ありがとうございます*\(^o^)/*本当ですか？！とても嬉しいです！！頑張りますね！∩^ω^∩ジニョンとサンドゥル…幸せにしたいです…笑笑 (2014年10月21日 20時) (レス) id: e34e972bbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紗羅 | 作成日時：2014年9月21日 17時
