84 ページ37
＿No side
日暮れ後のモビー・ディック号では少々騒ぎが起きていた。
事の発端は、世界経済新聞の号外の内容だ。
最初にそれを手にしたビスタが船長室に駆け込み、隊長達が招集された。
｢オヤジ、何かあったのか？｣
｢ビスタ、皆に見せろ。｣
｢…今日の号外だ。見れば分かる。｣
｢白ひげ海賊団の紅一点、A。懸賞金、5億ベリー。ONLY ALIVE…？｣
｢Aが遂に指名手配されたのか！？｣
｢生け捕りのみ？海賊なら生死問わずのはずだろ？｣
｢初っ端から5億って、高くねェか？ほとんど海軍とも交戦してねェよな。｣
各々が疑問を持ち、喋りだしたのを、白ひげは手を一度叩き制した。
｢お前らも思っただろ。何かがおかしい。何かある。｣
｢イゾウは何か聞いたりしてねェのか？｣
｢…いや、ない。ただ、心当たりなら、ある。｣
｢本当か！？｣
｢でも確証がねェ。｣
｢構わねェ、言ってみな。｣
白ひげに言われ、少し迷ってから、話し出した。
｢正直おれは何も知らねェが、おそらくお嬢の能力が関係してるんじゃないかと思う。｣
｢続けろ。｣
｢どんな能力なのか、聞いた事のある奴はきっといないんじゃないか？意図的に、隠したい何かがあるんだと思ってる。隠したいのなら聞かない方がいいと思って、おれも聞かなかったしな。｣
それを聞いて、白ひげは何か考えているようだった。
他の隊長達もそれぞれ何か思う事があるようだ。
｢でもさ、ぼく達にも話せないような事なのかな。｣
ハルタの声は悲しげだった。
口にはしなくても皆が同意見のようで、雰囲気は重い。
｢信用してない訳じゃねェと思うぞ。Aはそういう奴じゃねェ。言えない理由でもあるんだろ。お前らも、それは分かってるはずだ。｣
白ひげが言うのだ、そうなのだろう。
しかし、未だ雰囲気は変わらない。
自分達は信用されていなかったような、そんな気持ちはなかなか拭えないのだろうか。
｢とにかく、本人がいねェ事には話にならねェ。明日には帰ってくるんだ。その時聞けばいい。不安なら、今聞くか？｣
電伝虫に視線をやる白ひげに、皆は首を振った。
Aを信じて待つ事にしたようだ。
｢ならあとは明日だ。とりあえずこの件は他言無用だ。もう戻っていいぞ。｣
白ひげの声で隊長達は、船長室を後にした。
箝口令が敷かれ、事実が明白になるまでは、白ひげと隊長達のみに留めておくらしい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 165人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ルイ(プロフ) - 哀羅さん» 一緒にイゾウ沼にずぶずぶになりましょう！！！(助ける気なし) (2020年11月27日 21時) (
レス) id: a0dbe60605 (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - イゾウ様がとにかく最高すぎてムフムフニヤニヤデレデレが止まらないです(もはや変態。助けて下され。) (2020年11月26日 22時) (レス) id: 11aacecd07 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - 哀羅さん» ワンピはイケオジたくさんいますよね！んーー、ちょっと構想練ってみましたけど、思いつきません笑短編集でなら書けそう...？ (2020年11月15日 23時) (レス) id: a0dbe60605 (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - レイリーさん、やっぱり最高すぎる笑笑なにあの、紳士！いけおじ！紳士の塊！ほんと最高かって。ルイさん、レイさんオチの小説書いてくれません笑？それか同じイケオジなら、ベンさんでもいいかもっ！どちらも小説ないですから汗 (2020年11月15日 22時) (レス) id: 11aacecd07 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - 哀羅さん» 可愛いですよね！双子はお互い恋愛は自由だと思いつつ、目に付いてしまうとお互いに嫉妬心出ます笑 (2020年11月8日 21時) (レス) id: a0dbe60605 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雨音 | 作成日時：2020年10月30日 20時
