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｢それって…どういう…。｣
ようやく出て来た声は振り絞ったように小さい。
そんな私をイゾウは喉を鳴らして笑った。
｢お前さんはどういう意味だと思う？｣
｢分かんない…。好きなの？違うの？｣
｢ククッ、そうだなァ…お嬢はどっちがいいんだ？｣
｢そんなの、分かんない…っ！｣
触らなくても分かる程に頬が赤く染まっていくのが分かる。
やはりイゾウはそんな私を見てくつくつと笑う。
その姿は綺麗で、妖艶だった。
そして結局意味は分からないまま、夜のお花見は終わった。
船へと戻る道中、イゾウはふと足を止めた。
見つめる先には青い小さな花。
｢どうかした？｣
｢いや…何だか懐かしい気がしてな。｣
｢そうね。私もそう思うわ。｣
脳裏に浮かぶのは、あの日の出来事。
死んだ彼が目の前に現れた、あの時の事。
でもそれは脳が都合良く見せた幻影なのだと私は思っている。
｢勿忘草だよな。花言葉は…。｣
｢真実の愛と…私を忘れないで。｣
｢詳しいんだな。｣
｢ふふ、まあね。勉強したのよ。｣
前世の私が、だけどね。
イゾウは少し考え込んでいたみたいだけれど、おもむろに勿忘草を一つ摘むと、私の髪を耳にかけそこに差した。
｢綺麗だな。瞳と同じ色だからお前さんの金髪によく映える。｣
まるで愛しいものを見るかのように優しく細められた目に、何だか恥ずかしくなって、目の前にあったイゾウの胸に顔を埋めた。
何だか懐かしくて、温かい気分になった。
｢随分と積極的だな。おれは嬉しいが…本気にしちまうぞ？｣
｢…へ？っ、ごめんなさい！離れるわね…っ！｣
イゾウの声に我に返った。
ものすごく恥ずかしい事をしていた事にようやくここで気が付いた。
しかしイゾウは離れようとした私の腰を抱き寄せ、私の首筋に顔を埋めた。
｢い、イゾウ？｣
｢もう少し、このままでいてくれ…。｣
懇願に近いような、そんな声だった。
そんなイゾウに抗えず、私はそっと、彼の背に腕を回した。
それでもやっぱり、イゾウの考えている事は分からないままだった。
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ルイ(プロフ) - 哀羅さん» あと、月見草は無言の愛、イベリスは心を惹き付けるとか移り気って意味があって、そこにハルタの心情を込めてみました！ (2020年10月29日 9時) (
レス) id: a0dbe60605 (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - 月見草、ほのかな恋、イベリス、甘い誘惑なんですね。 (2020年10月29日 6時) (レス) id: 11aacecd07 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - 哀羅さん» 可愛いですよね！本当は優しくて良い子なのに不器用な感じを出したかったんですけど...出せてますかね？ぜひ調べてみてください♪ (2020年10月28日 23時) (レス) id: a0dbe60605 (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - 今からソッコー花言葉調べに行ってまいります！！！ハルたん、可愛すぎ！ひっそり一途で、でも運命に抗ってみたり…最高です！ (2020年10月28日 22時) (レス) id: 11aacecd07 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - 哀羅さん» いるだけで色気が溢れていそうですよね！大人な誘惑に私も惑わされたいです！！ (2020年10月27日 14時) (レス) id: a0dbe60605 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨音 | 作成日時：2020年10月15日 16時
