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＿イゾウside
…A。覚えてる。
同じ騎士で、マルコの妹だった女。
金髪を靡かせる、優美な雰囲気を纏った美しい女。
前世よりも綺麗になっている気がする。
誇り高く、忠義の厚い、そして何より強い騎士だった。
ワイングラスを傾けマルコとサッチと談笑している彼女を見る。
そう、彼女はいつも飲み物を飲んだ後、決まってグラスの縁を白く細い指で拭うんだ。グラスに付いた紅を拭く為に。
…何でおれはこんな事知ってるんだろう。
分からない。
でも、彼女を見ていると何故だか温かい気持ちになる。愛しいような、そんな感じがする。
妹のように思っていたのだろうか。
菊と同じような感じか？
分からない。
思い出そうとすると頭に霞がかかったように分からなくなってしまう。
｢どうした？そんな暗い顔して。おでんの事か？｣
話しかけてきたのはビスタだ。
イヌネコがおでん様に着いて行ったもんだから、少し落ち込んでいたが、Aが来た事で緩和されたようだ。
｢いや、考え事をしていただけだ。あまり意味は無かったがな。｣
｢Aの事か？｣
｢…！｣
｢ふふ、図星か。昔からお前、分かりやすい所があるからな。｣
｢そうだったか？｣
｢ああ。それで、思い出したか？ろくに話していないだろう。｣
｢覚えてるさ。マルコの妹で、同じ騎士だった。｣
｢それだけか？｣
｢…他に何かあるのか？｣
｢それは自分で思い出さなきゃ意味がないだろう。ま、前世の生き方を今世でしなきゃいけない訳じゃないから、お前の好きに生きたらいいさ。｣
ほら飲めよ、とワイングラスを渡される。
カン、と良い音を鳴らしてグラスを合わせ口に含む。
手元に目線を落とすと、彼女と同じように紅が付いていた。
それを指で拭うとビスタは笑っていた。
もう一度飲んで同じように拭って、彼女を見るといなくなっていた。
おれの目線に気付いたビスタはまた笑った。
｢Aならあそこだ。少し話してきたらどうだ？｣
指差す方に顔を向けると、見張り台の上に靡く金髪。そうだ、彼女は高い所も好きだったんだ。
｢行ってくる。｣
｢ああ、行ってこい。｣
背中を押され、おれは見張り台へと続く梯子を登って行った。
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ルイ(プロフ) - 哀羅さん» あと、月見草は無言の愛、イベリスは心を惹き付けるとか移り気って意味があって、そこにハルタの心情を込めてみました！ (2020年10月29日 9時) (
レス) id: a0dbe60605 (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - 月見草、ほのかな恋、イベリス、甘い誘惑なんですね。 (2020年10月29日 6時) (レス) id: 11aacecd07 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - 哀羅さん» 可愛いですよね！本当は優しくて良い子なのに不器用な感じを出したかったんですけど...出せてますかね？ぜひ調べてみてください♪ (2020年10月28日 23時) (レス) id: a0dbe60605 (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - 今からソッコー花言葉調べに行ってまいります！！！ハルたん、可愛すぎ！ひっそり一途で、でも運命に抗ってみたり…最高です！ (2020年10月28日 22時) (レス) id: 11aacecd07 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - 哀羅さん» いるだけで色気が溢れていそうですよね！大人な誘惑に私も惑わされたいです！！ (2020年10月27日 14時) (レス) id: a0dbe60605 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨音 | 作成日時：2020年10月15日 16時
