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彼がいなければ、私は今頃死んでいただろう。
悲しみは薄れる事はないし、彼を愛する気持ちも何一つ変わっていない。
赤髪の王は良い人だ。素敵だとも思う。
でも、彼以外の人と幸せになるなんて、考えられないの。
彼の眠るお墓に額をつける。
その時、ブワッと突風が吹き荒れ、辺りは桜吹雪に包まれ思わず目を閉じる。
突風が止み、目を開けるとそこにはいるはずの無い、愛しの彼が立っていた。目からは涙が溢れた。
｢う、そ…どうして？｣
｢お前さんがいつまでもそうやってるからな、出てきちまったよ。｣
｢会いたかった…っ！ずっと、会いたかったのっ！！｣
手を伸ばしても触れられない。
でも確かにそこにいる彼は困ったように笑っていた。
｢泣いてるお前さんを抱き締めてやれないのはちと寂しいがな。おれは笑ってるマリーが好きなんだ。お前さんは笑顔が似合う。笑っておくれ。｣
泣きながら、でも何とか笑うと、にっと私の大好きな笑顔で笑ってくれた。
｢赤髪と結婚するのか？｣
｢…彼にはたくさん助けてもらったの。その恩返しがしたい。でも、私が好きなのは、貴方だけなのよ。生涯愛すると決めたのは、貴方だけなの。私にはっ、貴方しかいないの…っ！｣
｢マリー。おれは、お前さんを愛してる。でもおれはもう、お前さんを幸せにしてやれない。泣いていても涙を拭ってやる事も出来ない。だからマリー。お前は赤髪と幸せになれ。｣
｢なんで？なんでそんな事言うの？私は貴方じゃなきゃ…っ！｣
｢おれだってそんなの嫌さ。でもおれは死んでいて、お前は生きてる。おれの分まで生きてくれよ。ずっと側にいるから。側で、おれに色んな景色を見せてくれ。マリーが笑ってくれるなら、おれはそれだけで幸せだから。幸せにしてもらえ。側で見守り続けるから。｣
｢や、だあっ！私はっ、貴方がいい…っ！｣
｢おれの姫さんは我儘だなァ。見えなくたっておれはいつでもマリーの側にいるよ。来世は一緒になれるさ。おれ達は誰にも切れない縁で結ばれてるんだ。例え覚えていなくても会えば必ず分かる。絶対見つけ出してみせる。来世はおれが必ず幸せにするから。…ああ、時間だな。…愛してるよマリー。お前の幸せを願ってる。｣
｢行かないで！一人にしないで！｣
｢お前は一人じゃないよ。おれは側にいる。またな、マリー。｣
彼は消え、私は崩れ落ちた。
彼のいた場所には、勿忘草が咲いていた。
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ルイ(プロフ) - 哀羅さん» あと、月見草は無言の愛、イベリスは心を惹き付けるとか移り気って意味があって、そこにハルタの心情を込めてみました！ (2020年10月29日 9時) (
レス) id: a0dbe60605 (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - 月見草、ほのかな恋、イベリス、甘い誘惑なんですね。 (2020年10月29日 6時) (レス) id: 11aacecd07 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - 哀羅さん» 可愛いですよね！本当は優しくて良い子なのに不器用な感じを出したかったんですけど...出せてますかね？ぜひ調べてみてください♪ (2020年10月28日 23時) (レス) id: a0dbe60605 (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - 今からソッコー花言葉調べに行ってまいります！！！ハルたん、可愛すぎ！ひっそり一途で、でも運命に抗ってみたり…最高です！ (2020年10月28日 22時) (レス) id: 11aacecd07 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - 哀羅さん» いるだけで色気が溢れていそうですよね！大人な誘惑に私も惑わされたいです！！ (2020年10月27日 14時) (レス) id: a0dbe60605 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨音 | 作成日時：2020年10月15日 16時
