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＿マルコside
皆が開いてくれたおれの誕生を祝う宴の最中、懐かしい声が聞こえた気がした。
｢マルコ！｣
昔生き別れた、双子の妹の呼ぶ声がした。
聞き間違いかとも思ったが、その声に誘われるように宴を抜け出し、甲板に出て海を覗き込むと、そこには波の花が散らばっていた。
普段なら白い筈のそれは桃色に色付いていて、温かい感じがした。
｢主役がこんな所で何してるんだ？｣
後ろから声が聞こえ、振り向けばそこに居たのは着物を着た女形。
｢イゾウ！ほら、見てみろ、綺麗だよい！｣
｢波の花か。…かすみ草みたいだな。確か桃色だと花言葉は切なる願い、だったか。｣
｢切なる、願い…。｣
その言葉に思い出すのはやはり双子の妹で。
会いたくない訳がない。もちろん会いたい。
おれにも、オヤジにも、何も言わないけどおそらくイゾウにも、前世の記憶はある。
覚えてる範囲はそれぞれ違うが、おれ達の絆は引き合い、そしてまた、こうして出会い混ざりあった。
そして妹のAも、前世からの繋がりがある。
前世でもアイツはおれの妹だった。
オヤジもそれを分かってるから、冒険しつついつもアイツを探してるんだ。
この海のどこかで、Aは必ず生きてると信じて。
｢会いたいねい。｣
｢生き別れた妹だったか？｣
｢ああ。イゾウは覚えてねェのかよい？｣
｢…知ってたのか？｣
｢何となく繋がりのある奴なら分かる。お前もそうだろい？｣
｢そうだな。朧げにだが、覚えてる。｣
｢Aの事は？｣
｢A…？｣
｢覚えてねェのか？お前とAは……いや、いい。｣
｢大切な人がいたのは覚えてる。それがお前さんの言うAなのかは分からないんだ。｣
｢そうか…。｣
イゾウはAの恋人だった。
それを本人が覚えていないとは…。
Aは覚えているのだろうか。覚えているなら…悲しむだろうか。
早く会いたい。とにかく会って、抱きしめてやりたい。
アイツは生きてる。それは分かる。
波の花を見ていて、Aがすぐ近くにいる気がした。
もうすぐ会える。
双子だからなのか、それは分からないが、そうおれの勘が言っていた。
｢必ず見つけるから、待ってろよい。｣
消えゆく波の花に、そう語りかけた。
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ルイ(プロフ) - 哀羅さん» あと、月見草は無言の愛、イベリスは心を惹き付けるとか移り気って意味があって、そこにハルタの心情を込めてみました！ (2020年10月29日 9時) (
レス) id: a0dbe60605 (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - 月見草、ほのかな恋、イベリス、甘い誘惑なんですね。 (2020年10月29日 6時) (レス) id: 11aacecd07 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - 哀羅さん» 可愛いですよね！本当は優しくて良い子なのに不器用な感じを出したかったんですけど...出せてますかね？ぜひ調べてみてください♪ (2020年10月28日 23時) (レス) id: a0dbe60605 (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - 今からソッコー花言葉調べに行ってまいります！！！ハルたん、可愛すぎ！ひっそり一途で、でも運命に抗ってみたり…最高です！ (2020年10月28日 22時) (レス) id: 11aacecd07 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - 哀羅さん» いるだけで色気が溢れていそうですよね！大人な誘惑に私も惑わされたいです！！ (2020年10月27日 14時) (レス) id: a0dbe60605 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨音 | 作成日時：2020年10月15日 16時
