【d!】空舞う花束、君は憂う。【ci】【完結】 (ページ47)

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今日は3月14日。

所謂、世間ではホワイトデーだ。

今日はチーノくんと会う約束をしている。
チーノくんの仕事終わりと私の夜勤入り時間に合わせて、私の職場の最寄り駅で待ち合わせの約束をしている。

待ち合わせ場所に着くと、私に気付いたのか「Aー！」と言って、手を振りながらチーノくんが駆け寄って来た。

「チーノくん、お待たせ！」

ci「仕事前にごめんな。Aに渡したい物があって」

「私に？」

「そう、ホワイトデーのお返し」と、チーノくんから十二本の白いバラの花束を渡された。

「綺麗なバラだね」

「この十二本のバラにはそれぞれ永遠、真実、栄光、感謝、努力、情熱、希望、尊敬、幸福、信頼、誠実、愛情…っていう意味があるんよ」と、チーノくんが教えてくれた。

ブーケのバラを良く見ると、それぞれにどの意味があるのか分かるように小さくタグが付けられていた。

「凄い…良く思い付いたね」

ci「めちゃくちゃ悩んだんやで！？Aには手作りチョコレートお願いしてもたし…」

「チーノくん色々考えてくれたんだね。凄く嬉しいよ」

私は“永遠”と“愛情”のバラをブーケから抜き取り、チーノくんに差し出した。

「私はチーノくんのことを永遠に愛しているよ」

ci「俺がAに先に言いたかったのに！何で先に言うてしまうん！？」

「別に私からでも良いでしょ？私ずっとチーノくんのこと好きだったんだから」

ci「ロボロさんたちの結婚式のブーケトスでは興味無さそうな顔しとったけど、今の心境はどう？」

「…もう、いつ死んでも良い程に嬉しいよ」

ci「今、Aに死なれてもたら困るんやけどなぁ…」

するとチーノくんは、ポケットから小さな小箱を取り出した。

ci「A、俺と結婚して欲しい。まだ付き合ってそんな経ってないけど、俺には生涯Aしか居らんと思ってる」

小箱の中にはダイヤの指輪が入っており、私はそれを受け取ると左手の薬指に指輪を嵌めた。サイズはぴったりだ。

「チーノくん、これからも宜しくね」

ci「ありがとうA〜！」

私に勢い良く抱き着いてきたチーノくんに腕を回すと、チーノくんは私にキスをしようとした。

「チーノくん、今は外だから…！」

ci「Aは真面目やなぁ…。そろそろ仕事行かんでも大丈夫？」

「そろそろ行かなきゃ！行ってくるね、チーノくん」

「いってらっしゃい、A！」と、チーノくんに笑顔で見送られた。