【d!】空舞う花束、君は憂う。【ci】【完結】 (ページ17)

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私は日が迫って来ている、チーノくんとの約束の日に頭を抱えていた。

服や化粧、髪型をどうしようとかだったり、チーノくんにどんな顔をして会えば良いのだろうかと。

「…音ちゃんに相談してみるかぁ」

私は音ちゃんに電話を掛けてもいいかと断りの連絡を入れると、『いいよ』と音ちゃんから気前の良い返事が返ってきた。

その返事を見て、私は音ちゃんに電話を掛け始めた。

『もしもし？』

「音ちゃん、この間は素敵な結婚式をありがとうね」

『こちらこそ、来てくれてありがとう。で、急にどうしたの？』

「実はね音ちゃんの結婚式の時に高校時代に告白して振られた人に告白された上に、初対面のフリをしちゃったんだ…」

『そんな事があったの！？ちなみに相手は？』

「千野綾橙(ちのあやと)くん…」
　
『えっ、チーノくん！？それでそれで？』

音ちゃん、めちゃくちゃ面白がってるな。

「チーノくんは気付いてるのか分からないけどね。とりあえず連絡先を交換して、今度一緒に出掛けることになったよ」

『チーノくんはちょっと胡散臭いかもしれないけど、大丈夫だよ。職場の同期の私が保証する』

ちょっと胡散臭いどころじゃなかったんだよねと、私は心の中で呟いた。
しかも音ちゃん、チーノくんと同期だったのか…世間は狭いなぁ。

「音ちゃんがそこまで言うなら、信じるよ」

『A、頑張ってね』

「天乃(あまの)さんにもよろしく伝えておいてね。あ、今はもう二人とも天乃さんか」

『もう、それわざとでしょう。A、また話聞かせてね』

「音ちゃん、話聞いてくれてありがとう」と言うと、私は通話を切った。

「うーん、どうしたものか…」

私は更に頭を悩ませるのであった。

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