気になるあのコ【佐野玲於】

出ないで ページ43

Aside





玲於「なんかうまいのウーバーしよ」


「楽しみにしてます」






‥‥楽しみだけど



さっきの佐野さんに来てたメッセージに、モヤモヤしてる自分がいる



いや、見てしまった私が悪いのは重々承知の上なのだけれど。






クラブで一緒にいた女の人かな？

それとも、別の人？





どんな関係なんだろう‥



でも佐野さん、返信してない。



私といるのを優先してくれたって思っていい？


もう帰りたいって思われてたら、どうしよう
　







玲於「え、こいつまたタイムリープすんの？しすぎじゃね？」


「‥‥え？」






やばい、全然映画追えてなかった





玲於「あ、ちゃんと見てっつったの誰すか」


「‥見てるもん」


玲於「もしかして眠い？映画変える？」


「佐野さんの方が眠そうなのに」







お互い酔いが回ってきて
佐野さん、目が少し赤くなってとろんとしてる



それさえ色っぽく見えてしまうのは、私がほろ酔いだからだと思いたい







玲於「酔うと幼くなるね」






佐野さん、もう映画見てなくて
ソファの縁に肘かけて私の方に身体を向けてる



‥幼くなってるの、佐野さんもだよ



なんて言ったらどんな顔するかな？






口を開きかけた

と同時に、着信を知らせるスマホが鳴る





ローテーブルに置かれた彼のスマホ

画面には、女の人の名前







玲於「‥‥」




さっきの、あのLINE送って来た人だ。



佐野さん、スマホ取ろうとしない

それでもまだ鳴り続けるバイブレーションが部屋に響き渡る


　


「出ないんですか？」


玲於「‥え、ああ」






電話出たら、佐野さん行っちゃうの？

行きたいって、思ってる？



今まで私といたのに、その色っぽい目線

今度は違う子に向けるの？





‥‥嫌だ、そんなのやだよ。




行かないで



電話、出ないで









スマホに伸びる彼の手

反射的に掴んでしまって










待って、どうしよう

















玲於「‥Aちゃん？」










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