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出なかったら ページ35

Aside




次の日

全然眠れなくて、朝早く目が覚めたけど
憂鬱な気分のままお昼まで布団にくるまっていた。



SNSを開けば休日を満喫している友達



さすがにこのまま1日無駄にしたらやばい

とぼとぼベットから出て、予定なんてないけど
気分を上げるためにメイクして部屋を出た




近くのスーパーで買い物
カフェでコーヒーテイクアウトして



「‥あ、スウェット」



佐野さんの服、取りに行って

あろうことか、結局1時間でマンションへと帰宅



冴えないなあ‥



エントランスで
これから出かけるカップルとすれ違って、ため息が出た。




重い足取りで重い玄関のドアを開けて、荷物を下ろす。








クリーニングの袋に入った、佐野さんの服

なんとなく取り出した。




ここのブランド、スウェット1着で何万もするの知ってる

こんな高い服、部屋着の代わりに貸しちゃだめだよ。





‥また彼の顔が浮かんで

この玄関で佐野さん、会いたかったらインターホン押してって言ったのを思い出す。





佐野さんの部屋、いい匂いでいっぱいで
包まれてるみたいで心地よかった。





胸がキュッてなって、スウェットを抱きかかえる。







「‥匂い、消えちゃった」




彼の匂いがしなくなったその服が、途端に寂しい




どんな匂いだっけ


あれ、大好きなのに







‥どうしよう、忘れたくない。








急に居ても立っても居られなくなって

佐野さんの服、綺麗に畳んで袋に戻してそれを片手に玄関を出る。





目の前に、佐野さんの部屋


その前で立ち尽くしてる私




「返すだけだもん、変じゃない」






インターホン押して、佐野さんいたら出てくれる。


出てくれたら、そしたら
これ返して、それで、自分の気持ち、確かめる


出てくれなかったら
もう考えるのは今日でやめる



インターホンのボタンに手を伸ばす


‥指が震える


意を決してボタンを押して、ギュッと目をつぶる。





出なかったら、もうやめるの


出てくれたら、また会える




出てくれなかったら‥‥



嫌だ‥




廊下に響く、長い静寂







「いないの‥?」





どうしよう、私また泣きそうになってる





会いたいのに

俺に会いたくなったらって、佐野さんが言ったんだよ



もうやめよう



そう心の中で言いかけた、そのとき






廊下の奥、エレベーターのドアが開く音








 



玲於「うお、Aちゃんじゃん」








ああもう、なんで。





答えなんて→←止まれ



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設定タグ:佐野玲於 , GENERATIONS   
作品ジャンル:恋愛
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あすか(プロフ) - 私はGENE隼くん推しなので隼もっと頑張れ〜て思いながら玲於くんにキュンキュンしてます笑笑 (2月7日 1時) (レス) id: 9548bf3dbb (このIDを非表示/違反報告)
Room108(プロフ) - ごんごんさん» 記念すべき初コメントありがとうございます。これからどうなっていくのか‥楽しみにしていてください!^ ^ (2月5日 17時) (レス) id: 784322fd7f (このIDを非表示/違反報告)
ごんごん(プロフ) - 初コメ失礼します!今日初めて読み始めてもう一気読みしちゃいました笑まさか隼くんと玲於くんのお相手一緒だとは!もう話の展開気になりすぎます笑楽しみに待っています! (2月3日 23時) (レス) @page28 id: 6808294a30 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Room108 | 作成日時:2024年1月23日 21時

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