1-7.こころを満たす ページ9
Side 舘さん
思っていた以上だった。
ラウがここに来る前のことは、実はまだ知らないんだけど。
でも、家族と居られなくなったからここに来たわけで。
そんなラウには、酷すぎる話だった。
さらに、自分のせいで友達が喧嘩したり、クラスがシーンとしたり……そっちの方がよっぽどラウは気にしそうだなと思った。
「そっか、よく耐えたな」
なんて、当たり障りのないことしか言えない。
ラウは目を潤ませながら、『ありがとう、舘さん』なんて言う。
阿「じゃあ、昨日電話してたのは？あれ、慎太郎くんじゃないよね？」
……ん？電話？
ラウを見ると、聞こえてたの？と言いたそうな表情をしている。
阿「たまたま、夜中目覚めた時に気がついたんだけどさ。
……ねぇ、ラウ？」
あべちゃんは、ラウの両手を握ると、目線を合わせていつものように微笑んだ。
阿「ラウ、嫌な事からは逃げていいんだよ？
今回喧嘩が起こったのも、クラスがシーンとなっちゃったのも、ラウのせいじゃないでしょ？」
ラ「そうだけど、でも……」
阿「でも、じゃない。
生きてる上でね、嫌なこと言うやつって絶対にいるの。そういう奴に調子乗らせちゃうと、どんどん逃げられなくなる。
ラウは、その子とこれからも仲良くしていくつもりなの？」
あべちゃんの問いかけに、ぶんぶんと首を横に振る。
阿「じゃあさ、そんな奴、相手にしなくていいんじゃない？
守ってくれた慎太郎くんとか、いつも仲良しの北斗くんとか。ラウには、友達沢山いるじゃない？
その人の事で、心いっぱいにした方が幸せだと思わない？」
どうだろう？と優しく問いかけるあべちゃんに
ラウはこくこくと頷く。
阿「ラウには、俺達がいる。他の人がどう考えてるかなんてのは分かんないけど、俺たちは間違いなく家族だよ。
しかも、ラウには友達だっている。困った時に助けてくれる友達。ずーっと大事にしないとね？」
ラウは大きく頷くと、あべちゃんに抱きついた。
ラ「ありがと、あべちゃん。俺ね、今幸せでこころがいっぱいだよ。」
あべちゃんはいつも以上に優しく微笑み、ラウをぎゅっと抱きしめた。
……ふと、視線を感じてリビングの扉に視線を移す。
康「…グズッ、ええ話や…」
照「……(目を擦る)」
目「さすが俺のあべちゃんだわ。」
翔「……あべちゃん先生だ…」
佐「うぅ、ラウ…あべちゃん……ッ」
あーあ、皆すげぇ顔(笑)
確かに、阿部の言葉はみんなの心にしっかり届いたみたいだね。
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赤音(プロフ) - にゃんこさん» にゃんこさん。コメントありがとうございます！楽しみにして頂けるなんて嬉しいです。season2に入りましたが、引き続き楽しんでくださいね！今後もこの作品をよろしくお願いいたします！ (2020年5月1日 17時) (
レス) id: c61be3e359 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - 毎回、お話が可愛くてほっこりするので更新をいつも楽しみに待っています！暇な時間も、このお話を見ると穏やかな気持ちになります！これからも頑張ってください！応援してます！ (2020年5月1日 12時) (レス) id: 9fa0c803b8 (このIDを非表示/違反報告)
赤音(プロフ) - えむさん» えむさん。コメントありがとうございます！ホッコリして頂けて良かったですー！ついつい可愛いラウちゃんを描きたくなってしまうので、今後も楽しみにしていてください！今後もこの作品をよろしくお願いいたします！ (2020年4月30日 21時) (レス) id: c61be3e359 (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - ラウちゃんの話、本当にホッコリしました(;_;)(;_;)お兄ちゃんたちに愛されてて嬉しそうなラウちゃん大好きなので、ほんとに嬉しかったです！！！次回も楽しみにしてますね！！ (2020年4月30日 17時) (レス) id: ab0b283269 (このIDを非表示/違反報告)
赤音(プロフ) - ピクミンさん» ピクミンさん。コメントありがとうございます！この作品のテーマ｢ほのぼの感｣を感じ取って頂けてとても嬉しいです！暗い話ばかりの中で、少しでも楽しんで頂けるように頑張ります。今後ともこの作品をよろしくお願いいたします！ (2020年4月30日 13時) (レス) id: 8b5b42e06d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤音 | 作成日時：2020年4月27日 18時
