ようこそ『シェアハウス スノードロップ』

3-3.目黒とは ページ20

Side めめ


「あべちゃん、おはよう」

阿「え！目黒珍しくない？こんな時間に起きるなんて」

あ、おはよう。と付け足した俺の可愛いあべちゃんは、どうしたの？なんて心配した様子で俺を見つめてくる。

「最近あべちゃん不足だから、今日こそ補給しようと思って。」


そう。ここ数日、俺とあべちゃんは完全に入れ違いで。俺が起きる頃にはあべちゃんは居ないし、俺が帰る頃には寝てしまっていた。

このままだと、明後日まで会えないじゃん！っと思って、無理やり体起こしてあべちゃんを補給しに来たのだ。


舘「目黒はマメだよね、彼氏力高いよ。」

おはよう、と言いながら、舘さんがコーヒーをくれる。

阿「嬉しいんだか何だか……でも確かに、この3日くらい会えなかったもんね。

ラウも寂しがってたよ。」

ラウ……も、確かに会えてない。でも、それより気になるのは

「ラウも、ってことは、あべちゃんも寂しかったですか？」

阿「…え？いや、まぁその…ほら、何時もいたやつが居ないとさ、寂しくないことはないじゃん？」


照れてるのか焦ってるのが、はたまたその両方か。

ちょっとお顔が赤くなったのを見て満足する。

言葉より、態度でわかるこの人が俺は堪らなく好きだ。


舘「目黒はさ、阿部Loveなの？likeなの？」


阿「はぁ！？変な事聞かないでよ、舘さん！！」

「Loveです」

阿「平然と答えないの！」

あーもう、恥ずかしい、と手で顔を扇ぐあべちゃん。


可愛いなぁ、本当。このひとは。

この感情につく名前なんてものはなくて。

ただ、人を信じるのが苦手な俺にとって、初めて出来た信じられる人なだけ。



舘「目黒ってさ、型にはまらないっていうか…はまる型がないよね。」

阿「あー……それめっちゃ分かる(笑)」


「それはサイズ的な話？それともマインド的な話？」


阿「あら、マインドなんて単語知ってんの？」

すごいじゃん、ってケラケラ笑うあべちゃん。
ちょっと悔しいから、彼が固まるようなことを言ってやろう。

「ほら、マインドコントロールってあるでしょ？

ちょっと興味あって。」

なーんてね。全然うそだけど。
たまたまそれっぽいなって思って言ったら当たってたっぽい。

……あべちゃんには効果抜群のようだ。



よし、あべちゃん補給完了。

今日も頑張れそう。
ああ、明日も早起きしちゃおっかなぁ、なんて。


舘「……やっぱ目黒蓮は、目黒蓮だな(笑)」

3-4.アローハモーラじゃ開かぬ心の扉→←3-2.しょっぴーは社長さん

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す