# ページ12
王馬くんはいつもの調子に戻り、話を続けた。
王「あはは！良いね、その顔。困ってるその顔だよ。あー、本当に愛おしいよキミは！」
彼はそう言うと私の頬に手を当てた。
王「オレね、好きになった人はどんな手を使ってでも振り向かせたいの。」
『お、王馬くん……』
王「ん？なに？あ！もしかして、キスして欲しいの？そっかー。じゃあしてあげるね！」
気が付けば止まったはずの涙がまた出てきた。
すると王馬くんは行動をピタッと止めて、私の体を起こした。
『……え？』
王「…ねえ、教えてよ。最原ちゃんのどこがいいの？」
王馬くんは悲しそうな瞳で私を見つめた。
その紫の瞳には、うっすらと涙が出ていた。
その涙は嘘か本当か分からないけれど。
『…分かんない。気付いたら、好きになってたの。』
王「はーあ。オレそんな惚気聞きに来たんじゃないんだけどなー。」
『ごめんね。王馬くん、その、色々…』
そう謝ると王馬くんは私の顔をグイッと引き寄せ、そして。
優しく口を付けた。
王「うん！美味しいね！Aちゃんの唇は！」
突然の行動に動揺を隠せない。
王「あーあー。でも数日後には最原ちゃんに取られるんだろうなー。やだなー。オレのAちゃんなのになー。」
訳のわからないことを淡々と話し続ける王馬くんをただ見つめていた。
でもそれは彼なりのエールかもしれない。
『王馬くん、ありがとうね。』
王「あはは！まー安心してね！Aちゃんのこと恋愛対象でなんか見てないから！Aちゃん本気で受け止めててビックリしたよー。嘘をつくのも見抜くのも苦手なんだね！」
本当か嘘か分からないけど、それが彼なんだ。と思いこんな事があったけれど笑顔になってしまった。
王「えー。なんで笑ってるの？でも、Aちゃんはやっぱ笑顔の方が似合うね。」
『王馬くんも笑いなよ！いつもみたいな嘘笑いはやめてさ、ね？』
王「ははっ。面白い事言うね。さ、早く最原ちゃんのところ行きなよ。ここにいたら最原ちゃんに疑われてちゃうよー？」
私は王馬くんの部屋を後にした。
「ま。諦めないけどね。だって、本気で好きなんだもん。キミのこと。」
もちろん王馬くんが呟いた独り言なんて、私の耳に入る事はなかった。
.
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 62人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ダンガンロンパ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
kame. - ろんぱさん» ありがとうございますー！励みになります…！更新頑張ります！ (2017年1月30日 19時) (
レス) id: 8d7d63ea57 (このIDを非表示/違反報告)
ろんぱ - ものっ凄く好みの話です!!笑!!幸せです!!応援してます!! (2017年1月30日 19時) (レス) id: 9b54c0bd61 (このIDを非表示/違反報告)
kame. - ベリーさん» わー！ありがとうございます！引き続き頑張ります！ (2017年1月29日 17時) (レス) id: 8d7d63ea57 (このIDを非表示/違反報告)
ベリー - 展開が凄く好みです！！更新頑張ってください！ (2017年1月29日 16時) (レス) id: f3f123ed94 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：kame. | 作成日時：2017年1月25日 21時
