別れ ※１０月１４日変更 ページ7
＿＿＿＿可笑しい
今日は鈴さんが月が綺麗だから一緒に月見をしようと何時もの公園で待つことになっていた。
けれど待てども一向に鈴さんが来る気配がない。
、、、それにさっきから嫌な予感もする。
夜風の冷たい風が頬を撫で、着ていたロング丈カーディガンが僅かに風にのって揺れる。ざわざわと草木が音をたて、烏の羽ばたく音が妙に耳に響く。
気は進まないが、仕方がない。
「異能力『満月の夜』鈴さんを探せ。」
私の声を合図に公園に止まっていた烏や鳩が一斉に飛び立ち、四方八方に飛んでいく。
ごめんなさい鈴さん。今度お詫びしますね。
反省に浸っていると突然、異様な光景が見えた。
先程飛び去った烏達の中の一匹が見つけて私に見せているのだろうが、
「これはどういう事っ？」
見えた光景に冷や汗をかき、気付いた時には異能力を使いその場所へテレポートしていた。
【朱】
とある屋敷の一室が朱色に染まっている。
そしてその部屋に転がっている二つの身体。一人は知らない男性、もう一人は＿
「鈴さん!!」
紛うことなき鈴さんだった。
鈴さんの手に触れると氷のように冷たく、ゾワリと身体中に嫌な感覚が走り、一瞬で頭が真っ白になる。
何故鈴さんの手が冷たいの？
ここで一体何があったの？
声がでない、息が、苦しい。
駄目だ、駄目だ駄目だ駄目だダメだ！！
大丈夫、落ち着いて、先ずは頭に酸素を巡らせて、考えて、考えて、考えて
ガタリという音がした方を見ると、黒衣服を身に纏った男がゆったりと此方に殺気を向けながら鈴さんと横たわっているもう一人の男性に近付いて来ている。
＿＿＿＿来るな＿＿＿＿
「来るな!!!その手で鈴さんを触るな!!!!」
気がつけば私は異能力を発動させ、自分と鈴さんと倒れていた男性と共に展開した異能空間にいた。
つい先日までは温かった鈴さんの頬をそっと触れた。が、その頬は雪のように冷たく、温かさなど欠片もなかった。
分かっている。もう、鈴さんが死んでしまった事なんて、分かっている。あの時、鈴さんの手に触れたときからそれは分かっている。
出会いがあれば必ず別れがある。それが今。
あの楽しかった時間も、たった今終わった。
「、、、、。」
悲しいのに、胸が押し潰されそうなほど苦しいのに、涙一つ出てくれない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1281人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レイ - 好きだわ! (6月26日 21時) (
レス) @page22 id: be2fe8a188 (このIDを非表示/違反報告)
桜の下(プロフ) - 次の話が楽しみです！更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2020年4月19日 0時) (レス) id: 6dcf85fe6b (このIDを非表示/違反報告)
ヨル(プロフ) - ちょこれーとさん» コメントありがとうございます！私も久々に投稿したなーって呑気なこと考えていましたw此れから事態が発展していくので楽しみにしていて下さい！、、、よし、コメント貰ったしもうちょい更新しよ←結構ちょろい (2020年2月9日 15時) (レス) id: 4f3f949d42 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - 久しぶりの更新で嬉しすぎて奇声を上げましたw これからも楽しみにしてます!! (2020年2月9日 13時) (レス) id: adc186f0a4 (このIDを非表示/違反報告)
ヨル(プロフ) - もっぴいさん» 私も夢主ちゃんのマイペースなところ大好きなんですよ。この作品を読んでくださり有り難う御座います！これからもよろしくお願いします！ (2019年9月29日 18時) (レス) id: 4f3f949d42 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
