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雫が九粒 ページ11

凛が探偵社に戻り、扉を開けると、乱歩以外のほぼ全員から殺気が送られる。


その殺気に気付いていないかのように凛は笑い、仕事についた。



みんなが帰宅する頃、凛は敦と鏡花に呼ばれて着いていった。


着いたのは、人気のない裏路地だった。


「Aさんを傷付けるな。」


「次Aを傷付けたら、貴女の喉を潰す。」



そう言って殺気を飛ばす二人に凛は一瞬"微笑んだ"。

しかし直ぐに目を潤ませて二人を見た。


「なんでぇ?私ぃ、何も悪いことしてないのにぃ。」


「貴女は今日、Aを傷付けた。」


「でもぉ、勝手にあの子が傷付いているだけでしょぉ?」


凛の言葉に更に二人の殺気が強くなった。


「ふざけるな!!Aさんが、、、Aさんがどれ程苦しんだと思っているんだ!!」


敦が手を虎化し、凛を殴ろうとする。

凛は、"動かなかった"


ただそれをじっと見つめていた。



が、



「ストップだ、敦くん。」



太宰が敦の異能を解除した。


これには予想外だったのか敦と凛は目を見開いた。


そして太宰は凛に向き、思いっきり凛の腹を殴った。



「次彼女に手を出したら、ただじゃおかないから。」



そう言って太宰たちは裏路地を出て行った。





凛は暫く殴られた場所を抑え、壁に上半身を預けて起こし、大きく息を吐いた。


オレンジ色に染まる空を見上げた。



「何時までそこに突っ立ってるおつもりですか?


_____乱歩さん。」



敦達が出て行った場所から乱歩が凛をエメラルドグリーンの瞳に写しながら凛に近寄る。



「バカだねぇ、君は。」


「なんとでも言って構いませんよ。」


「君が何を考えてあんなことを敦達に言ったのか、当ててあげよう。

それは君が****************、だろ?」



その答えを聞き、凛は流石乱歩さんですねと言って両手を上げて肩をすくめて笑った。



「、、、。傷、大丈夫なのか?」


「平気ですよ。これぐらいは慣れてます。」



「そんなこと慣れちゃ駄目だ!!!」



突然大きな声を出し、悲しそうに顔を歪める乱歩に凛は目をぱちくりさせ、嬉しそうに微笑んだ。



「有難う御座います。私なんかの為に怒ってくれて、叱ってくれて。
私を、心配してくれて有難う御座います。」



その言葉に乱歩は俯き、強く拳を握った。



「本当に、君もAもバカだ。
そして本当の事に気付かないみんなはもっとバカだ!!」



叫ぶ乱歩を凛はただ黙って聞いて、また上を向いた。

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狼狐(プロフ) - 必殺!一気読み!!▼狼狐は一気読みを繰り出した▼ ←マジです。1時間で読み終えました(遅)感動し過ぎで泣きました。最初悪女に成り切れない悪女ってどゆこと?って思ってましたがこーゆーこととは・・・・!納得です★あぁ、続きが見てぇ・・・ (2022年2月12日 17時) (レス) id: 563f93d61f (このIDを非表示/違反報告)
つくも(プロフ) - 感動のあまり、涙が……泣けました。コレってアニメ化しないんですか?(冗談です)続編が見たいです。あ、でも、コレで終わりってなるのも味的に良いかも……うあ、でも…………見たい!見たいです!!! (2021年7月3日 15時) (レス) id: 3b5cd0d846 (このIDを非表示/違反報告)
ヨル(プロフ) - 味付けのりぃさん» そう言って下さり有り難うございます! (2019年8月9日 13時) (レス) id: 4f3f949d42 (このIDを非表示/違反報告)
味付けのりぃ - あああぁぁぁ…まじで涙出たぁぁぁぁ…いい話すぎる(?)この作品を作ってくれてありがとうございます…!こんなん泣くしかねーわ(( (2019年8月9日 1時) (レス) id: cae02b46bd (このIDを非表示/違反報告)
ヨル(プロフ) - 557*ココナさん» この作品を読んで下さり有り難うございました!! (2019年7月29日 13時) (レス) id: 4f3f949d42 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヨル | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年7月3日 1時

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