お気に入りとかお前らヒトサマなめてんだろ 2【灰谷兄弟】

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蘭達と暮らして、半年もたった。


暮らして、といっても、蘭達は昼夜逆転しがちで、同じ家に住んでても顔を合わせるのは休みの日くらいだったが。




集中力が切れて、シャーペンを回しながら改めて考える。





竜胆はまだしも、蘭が私を家におく理由は何？






最初は気まぐれだと思っていた。その気まぐれが嬉しかったし、甘えていた。

でも、さすがに長すぎないか？





一緒に暮らして情でも湧いた、なんてことはないだろう。




今まで、あまりお互いのことに踏み込まないで生きてきた。

蘭と竜胆が意識していたかは知らないが、私はそうしてきた。



昼夜逆転してる理由も、異常に医療品が充実していることも、学校に通っていないことも、普段どこで何をしているのかも。





興味がない、わけではないが、無駄に知ろうとして不仲になるのはいやだった。




蘭と竜胆は危険だ。あいつらのことを探ると、脱け出せない泥沼に入ってしまう気がする。





どうせ居候の身だ。




いずれ追い出させるのは目に見えてる。




私はあいつらと違って、情が移ってしまってる。かなり最初から。




自分に、メンヘラみがあるのは、ずっと前から知っていた。



短針が９時を指した。そろそろ竜胆が起きる時間だ。




案の定、竜胆が部屋から出てきた。





『おはよ』



「……はよ〜」




ふらふらしながら洗面所に向かう竜胆の背中を見ながら、夜更かししてよく９時に起きれるなーなんて思う。








……別れる、準備をしていかなくちゃ。




さすがに、蘭と竜胆に出ていけと言われるのは堪えるから、自分から離れよう。





手始めに、まずは自分の家に帰れるようにしなくては。




『大丈夫。連絡先が繋がってるだから。また会える』

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