お気に入りとかお前らヒトサマなめてんだろ 2【灰谷兄弟】

23ホラー映画なんて二度と見ん ページ23

リクエストありがとうございます！




皆さん聞いてください。







最近の私等の流行りは映画鑑賞なのですが。






何を血迷ったのか灰谷兄弟どもが私を怖がらせることに思考をジョブチェンジしておりまして。




先週の土曜。見せられたのはスプラッタ系の映画だったんですね。





そんで私はスプラッタ系の物は怖くないんですよ。なぜかって血の出方とか、出血量とか気にしてしまうので。




だけどそれを言うと場をしらけさせちゃうので顔だけしら〜っとして見てたんですがそれがいけなかった。






奴らは私の感情を目敏く読みとってホラー映画探しに火をつけてしまったんです。




今日も昼早いときから探しに行ってるんですよ映画を。





あの蘭が昼に起きるなんて滅多にないのに。





私を怖がらせて何が楽しいんだ、けっ。って思うんですけどねぇ。気にしてくれるのは嬉しいのだけれど。






パキパキ……



『！！』




後ろから音がして勢いよく振り向く。



誰もいないのをトイレを見てまで確認して私はまた席についた。






『フーー』





……今の反応を見て分かったと思いますが、何を隠そう。私は幽霊とかエイリアンとかそっち系はめちゃくちゃ怖いんですよ。





見えない、とか未知の存在ってのが本当に怖くてですね。





それの映画を見たらもう終わりなんです、私の人生が。



布団から出られず、寝ることもできなくなってしまう。





しかも、幽霊は定番中の定番。なんでこれを最初に見せなかったのが不思議ですけど蘭達がそういった映画を持ってきたら、逃げるしかない。






ガチャン。



「ただいまー」




竜胆だ。竜胆が帰ってきた！！





蘭も後ろに続いてる。




平常心平常心。




『おかえりー』





顔を上げずに勉強に集中している素振りを見せる。




ポン、と肩に誰かの手が乗った。



手の大きさから誰だか分かった。





猛烈に嫌な予感。



ゆっくり振り向くと、いつもと変わらない薄い笑みを浮かべた蘭と目が合う。




その瞳が、ほんの少し、細くなった。






あ……




「今日はメルーさん、見ような？」






『あ、あは…………』







アーーーーーーーー！！終わったーーーーーーーー！！

24→←22

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す