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『わぁーーーーーーー!!わははははははは!!』



けたけた笑いながら蘭の上で転がる。



仕返しとばかりに蘭の脇腹に手を伸ばそうとすると両手で掴まれる。



『なんでだよーくすぐらせろー』



「だーめ」



語尾にハートをつけて蘭がニッコリ笑う。




「はぁ。二人ともいつまでやってるんだよ」


そう言って竜胆は私の襟首を掴んでヒョイッと持ち上げた。


『ぐぇ』




「……飯食いに行かねぇの?」




『飯!!』



忘れてた!



竜胆の手から逃げ出して食堂の方へ駆け出した。







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






Aが走って行くのを見て、竜胆は、腰に手を当てた。





隣で兄ちゃんが立つ。




「兄ちゃん。A、前より軽くなってた」




身長は変わってないのに。



「あぁ」





「やっぱ今の仕事が」


「それ以上言うな竜胆」





Aが今の仕事にかなりストレスを感じてるのは知ってる。


兄ちゃんと何度も相談して、仕事をやめさせて家にいさせようとした。



でもそれはAの自由を奪うことだ。



そんなことをすれば、Aはもう二度と笑わなくなる。






さっきの、雲間から日が差したような笑顔を見れなくなってしまう。







竜胆は、それが嫌だった。




兄ちゃんはどう思ってるか分からないけど。






隣に立っている兄を見ても、いつもと変わらない笑みで、ちっとも考えていることが分からない。





兄ちゃんなら、相手のことなんて考えずに、自分のしたいようにするはず。



多分Aにもその態度は変わらない。




『はーやーくー!!腹減ってないのー?』





ブンブン手を振って叫んでいるAに苦笑を含んだため息をついた。





「早く来い竜胆ー遅いぞー」




隣にいたはずの兄ちゃんはいつの間にか歩きだしていて、結構な距離が離れていてしまった。




「は!?兄ちゃんさっきまでここにいたじゃん!!」





もー!と言いながら駆け出す。




これでいいなら、これがいい。




勝手な二人に文句を言いながらも、竜胆はそう胸の中で笑った。

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ぴよぽよぱあ(プロフ) - お、おお〜。ちょっと難しいけどやってみます。かなり解釈違いになってしまうかもしれませんがご了承下さい。リクエストありがとうございます! (8月22日 19時) (レス) id: 9d9a26fac4 (このIDを非表示/違反報告)
- リクエストなんですけど、生理のとき?のやつとかをやってほしいです!よろしくお願いします! (8月16日 19時) (レス) @page24 id: 283059bdd1 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよぽよぱあ(プロフ) - や、やさ、優し〜〜!!嬉しすぎるので秒で直してきます!!励みになるコメント、ありがとうございます! (8月13日 20時) (レス) @page23 id: 9d9a26fac4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - ぴよぽよぱあさん» えっ...........病気中なのにこんな面白い作品描けるんですか!?!?秀才...いや、天才ですね!!新しい話(?)もめちゃめちゃ面白かったです!また楽しみに待ってます!はやく良くなりますように! (8月13日 19時) (レス) id: 2307c0fefd (このIDを非表示/違反報告)
ぴよぽよぱあ(プロフ) - えっ!めちゃくちゃ嬉しいです!!ありがとうございます!!早速病気になったので無理のない程度で頑張ります! (8月13日 18時) (レス) id: 9d9a26fac4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぴよぽよぱあ | 作成日時:2023年7月7日 14時

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