お気に入りとかお前らヒトサマなめてんだろ 2【灰谷兄弟】

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『っはー！ 今日は楽しかったね！』


こくこくと友達がうなずく。感動し過ぎて言葉が出ない様子だ。


私も、推しのコースターを見ているとによによ頬が緩んでしまう。


んじゃまたねーと、友達と今朝会った広場で別れ、それぞれの電車に乗る。結局友達は興奮し過ぎて終始話さなかった。

いや、……！……！！みたいには話してたけど。これ話してたっていうのかな。



なんて考えていると家についてしまった。楽しいこと考えてると時が過ぎるのってはえぇや。

蘭と竜胆に今日の楽しさを伝えてあげなくては。あわよくば布教してやる。ふひひ。




『ただいまーあ？』


玄関を開けると蘭と竜胆が立っていた。

え？ お出迎え？ 二人で仲良く？


状況が分からなくてぽかんとしていると、竜胆が後ろに回って鍵を閉めた。

それってオートロックじゃなかったっけ？？



「ずいぶん遅かったなぁ。Aちゃん？」



遅かったって、まだ６時ですよ？


なんて言える雰囲気ではない。

何故かは分からないが、蘭は怒っている。いや、竜胆もだ。今までないくらいに怒ってる。



本能が告げていた。刺激しない方がいいと。



『え、あの。何に怒ってるか分からんけど、なんかして怒らせちゃったんだよな？ とりあえず謝っとくわ。ごめん』



「謝るってことは、何かやましいことがあるんだぁ？Aちゃん」


だってあんたがなんか怒ってるじゃん！ なんて言えるわけもなく。



ジリジリと近づいてくる蘭から距離をとろうと一歩下がるが、竜胆に羽交い締めにされた。


「話しはあっちでたっぷり聞くからなぁ」



そう言って蘭が私の頭を撫でる。




だから話ってなんやねん！！

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