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す、と蘭が腰を屈めた。


それでもまだ少し高い蘭の無表情な顔を見る。


細くて長い手が、私の額を指した。


「こめかみ、鼻と口の間、顎、喉仏」


言葉に連れするすると指が下がっていく。


「鳩尾、腹……あと」

そこでピタッと手が止まる。

ゆっくりと屈めていた腰を戻して、そ、と私の耳の裏を手で包んだ。


「耳の後ろ」


妖艶に蘭が笑う。



『驚いた。詳しいんだな』


中卒だから、まったく知らないと思ってた。(失礼)


「……まぁそういうのはな」


『んじゃさ、知識交換しようぜ』


内心わっくわくで、少し目を輝かせながら言う。



蘭は少し面食らったような顔をして、何かを考えるように顔を背けた。



「……仕方ねぇなぁ」


そう言って耳の後ろから手を離してぽんぽんと私の頭を撫でた。


『よっしゃ』

小さくガッツポーズを作る。

蘭はすぐにいつもの、うっすらと笑った顔になって隣の席に座った。




『まずは……』















「ただいまー」



あれ、靴があるのに電気がついてない。

もうずいぶん暗くなってるのに。



できるだけ音を立てないように廊下を歩き、息を殺す。


そーっと扉を開けるとそこには。



「一番恐怖を与えられて痛いのは顔」



『緊張したり恐怖を覚えると顔が青ざめるのは顔の毛細血管が収縮するから』


「無表情だとさらに恐怖を与えられる」


『理解ができないものに人は恐怖を覚えやすい』


「……何やってんの?」


くるんとAが振り向く。

暗く部屋に、白い歯が浮かび上がり弧を描いた。



『あっ、竜胆。おかえり。何って、チキチキ生物知識比べだよ』


「電気つけなよ」


パチンッと音がして部屋が明るくなる。

12→←10 こわーい?話



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ぴよぽよぱあ(プロフ) - お、おお〜。ちょっと難しいけどやってみます。かなり解釈違いになってしまうかもしれませんがご了承下さい。リクエストありがとうございます! (8月22日 19時) (レス) id: 9d9a26fac4 (このIDを非表示/違反報告)
- リクエストなんですけど、生理のとき?のやつとかをやってほしいです!よろしくお願いします! (8月16日 19時) (レス) @page24 id: 283059bdd1 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよぽよぱあ(プロフ) - や、やさ、優し〜〜!!嬉しすぎるので秒で直してきます!!励みになるコメント、ありがとうございます! (8月13日 20時) (レス) @page23 id: 9d9a26fac4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - ぴよぽよぱあさん» えっ...........病気中なのにこんな面白い作品描けるんですか!?!?秀才...いや、天才ですね!!新しい話(?)もめちゃめちゃ面白かったです!また楽しみに待ってます!はやく良くなりますように! (8月13日 19時) (レス) id: 2307c0fefd (このIDを非表示/違反報告)
ぴよぽよぱあ(プロフ) - えっ!めちゃくちゃ嬉しいです!!ありがとうございます!!早速病気になったので無理のない程度で頑張ります! (8月13日 18時) (レス) id: 9d9a26fac4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぴよぽよぱあ | 作成日時:2023年7月7日 14時

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