お気に入りとかお前らヒトサマなめてんだろ 2【灰谷兄弟】

2 ページ2

泣きつかれて寝てしまったAを、ベッドに運ぶ。



竜胆が母性芽生えさせんのも分かるな。


Aの寝顔見ながらそう思う。



「兄貴、どうする？」



「どうもしねぇよ。Aが決める」


そう言いながら、さら、とAの頬を撫でた。




「……」

「何にらんでんだよ竜胆。別に取って食わねぇから安心しろ」


そう言うとあからさまにほっとする竜胆。



ムカついたから脛を蹴っておいた。





『そんなに私が邪魔なら、出ていけって言えばいいだろ！！』




そう言っていたAを思い出す。


俺らの親は、ずっと通帳に送られる大量の金だった。


あんなふうに思ったことはない。



俺には、竜胆がいるから。考えもしなかった。


これからも考えることはない。








気が強いわりに、人が離れていくのを怖がっている。


だから、関係を持とうとしない。






でも、今回は違う。


十分情は移った。



Aは離れなれない。



俺が、動くまでもなくAは俺らに依存する。



竜胆が買ったサンドウィッチを食べ終えて、俺は笑った。



そういう俺も、多分依存に片足を突っ込んでる。

竜胆もだ。


Aは無意識に、相手に依存させるように行動している。


定期的にする竜胆とのLINEも、遊園地の誘いも、人と繋がりたいから。



かわいいなぁ。Aは。




自然と口角があがった。







蘭さんには、歪んだ愛情を持っててほしいなぁっていう……。多分蘭さんと竜胆さんって相互に依存してそうだなぁっていう……妄想です。そこに夢主ちゃんが入り込んでるって感じなので、恋愛ではまだないです。はい。

3→←1　あらすじー

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す